私は野球選手は基本『プラス思考』のほうがいいと思っています。
しかし、何でもかんでも『プラス思考』というのも違います。
挫折するべき所は挫折しなければいけません。
『挫折』するべく試合を子供自身が間違ったプラス思考に変えてしまうという考えは
現実から目を避けている危険性もあるわけです。
プラス思考の場面と挫折する場面を間違えてはいけません。
公式戦の時はネガティブな発想ではいい事はありませんから試合の時はプラス思考でなければいけません。
私の教えていた選手でネガティブの選手がいました。
技術もいいものを持っている選手なのですが・・
試合中にミスをしてしまうと続けてミスをしてしまう選手でした。
周りの選手からも
『自信持てよ』
『プラス思考で!プラス思考で!』
そういう声を掛けられていました。
私も・・
『試合中のミスは仕方ないよ。エラーをしてしまったら切り替えボタンを押して次に切り替えろよ』
そう話していました。
切り替えボタンの記事はこちらから↓
技術を持っている選手でしたから試合経験を積むことによってミスを連鎖しない気持ちを体験させようと考えていました。
ですが・・
彼は試合中に一つミスをすると顔が沈み・・
またミスを繰り返してしまうという試合の連続。
ある大事な公式戦で・・
彼をスタメンで出場させるかどうか悩んでいました。
コーチの中でも意見が分かれましたが私は彼をスタメンで使うことを決めました。
試合は4-3の緊迫した場面になり終盤へ。
サードを守っている彼の所にはボールが1球も飛んでいなかったのですが・・
彼の所にボールが飛んでいきました。
何でもないボールをエラー。
俯いている彼。
周りのコーチが
『代えましょう。また次にボールが飛んで行ったらまたやりますよ』
確かに今までの試合からすると彼の所に飛んでいくとまたミスを繰り返してしまう可能性は高い・・
でも、ここで守ってくれたら彼の自信に繋がる。
どうするべきか悩んでいた時・・
グラウンドにいる選手がその彼に手で十字の形を送っているのが見えました。
ウルトラマンのスペシウム光線みたいに・・
ベンチを見るとベンチの選手もその彼に向って全員が同じポーズを送っています。
キョトンとしている僕に
『本間コーチ、知らないでしょ?あれ、アイツがエラーしたらみんなで考えた【+思考ビーム】なんですよ。エラーしたらお前に全員からビーム出すから見とけよって言ってあったんですよ』
彼を見るとかすかに微笑んでいるんですね。
彼をそのまま交代せずに最後まで試合に出そうと決めました。
最終回・・
彼の所にゴロが飛んでいきましたが彼は難なくさばきアウトを取りました。
仲間の【プラス思考ビーム】が影響があったかどうかはわかりません。
ですが、その後、彼は少しずつですがミスの連鎖をすることが少なくなりました。
仲間があみだした【プラス思考ビーム】は・・
指導者である私のどんな言葉より心に響いたものになったのでしょう。
~年中夢球~