少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

少年野球 タイムマシ-ンがあったら・・

涙が出るほど悔しい試合・・

でもそれも先に繋がっています。

お友達のお母さまから頂いた素敵なお話です。

最後の試合で・・

サヨナラエラーで…

息子の小学生の野球は終わりました。

少年野球の最後の試合が自らのエラーで終わった瞬間…

何が起こったのかわからず私は呆然と立ち尽くしていました。

試合前に1試合でも長く出来るようにがんばろうと話していた選手と親達。

すぐに何が起こったのかが頭の中で理解が出来ませんでしたが…

すぐに…

私は他の親達に

『ごめんね』

と謝っていました。

皆さんは

『何言ってるのよ』

『みんながんばったんだから』

そう優しい言葉をかけてくれました。

息子を見ると…

泣いて立ち上がれず…

チームメイトに肩を担がれている姿が見えました。

試合が終わっても…

家に帰ってきても…

息子は一言も話しませんでした。

卒団式で・・

しばらくして…

卒団式の案内が来ましたが…

息子は…

『行きたくない』

と言い出しました。

主人の説得で何とか卒団式に出席することになりました。

うちのチームは6年生が一人一人話をすることになっています。

ちゃんと話せるのか…

私はとても心配でした。

順番に6年生が話をしていきます。

自分の思い出の試合…

ホームランを打ったこと。

大会で優勝したこと。

それぞれの自分の思い出の試合を話しはじめました。

息子の順番が近づくにつれ…

あの子は何の試合のことを言うのだろうか?

あの最後の試合のことを言うのだろうか?

私はドキドキしながら順番を待っていました。

あの子の順番がやってきました。

タイムマシンがあったら・・

マイクの前に立つけれどなかなか話せない息子。

『がんばれ!』

親御さんやチームメイトが声をかけてくれます。

『僕のエラーで終わってしまってごめんなさい。タイムマシンがあったらあの日に戻りたいです…』

小さな声で涙を流しながらやっと出た言葉でした。

沈黙の時間が少し続いた時…

『ちょっといいか』

と監督が声を発し続けてこう話してくれました。

『サヨナラエラーは悔しかっただろう。でもお前は本当にがんばってきた。だからその悔しさでまたがんばってくれると監督は信じている。あのエラーがあったから…そう思える日が必ず来るから。失敗は成功の基。あのエラーは失敗なんかじゃない。だからタイムマシンもいらない。がんばるんだぞ』

息子も私も涙が止まりませんでした。

素晴らしいチームで野球が出来て本当に良かった…

卒団式に心からそう思いました。

息子は春から高校球児になります。

あの監督の一言が彼を支えてくれています。

~年中夢球~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。