あなたのお子さんは親以外に叱られたことがあるでしょうか?
ひょっとすると他の方が「叱ってくれる」場面を親御さん自身が失わせてしまってるのかもしれません。
以前にこんなお母様がいらっしゃいました。
朝、子供がお母さんと一緒にグラウンドへ。
子供が私と眼が合って私に挨拶しようと口を開こうとした瞬間・・
「ほら!早くコーチに挨拶しなさい!」
お母様が子供が挨拶する前に先に声をだしてしまいました。
今度は続けて・・
子供が私に挨拶しようと思った瞬間・・
「大きな声で挨拶するのよ!」
時間にすると子供が私に会ってから1・2分の出来事です。
お母さんが『叱られない予防線』を張ってしまったばかりに、結果的にこの子は自ら挨拶もしていないし、大きな声を出すことも出来ませんでした。
このお母さんは、
「挨拶をしないと我が子が叱られる」
「大きな声で話さないと叱られる」
他の人から子供が叱られないように事前に「予防線」を張ってしまっています。
もっと言ってしまえば「挨拶を教えていない親と思われたくない」という心理も働いているかもしれません。
挨拶をしなさい、大きな声で話しなさい。
お母さんが先に予防線を張ってしまったので、この子は、自ら動こうとする「自動」のチャンスが奪われてしまいました。
「自動」のチャンスがどんどん失われると「自立」することが出来なくなってきます。
この予防線は「見守る」ではなく「見張る」状態です。
もっと言えば我が子が挫折しないように、叱られないようにという「監視」に近いものになってしまっています。
我が子ばかり怒るコーチがいたとします。
我が子がミスをする度に・・
「お前、何してんだよ!」
「お前、ちょっとこっちに来い!」
何かあるとすぐに怒る。
そして怒るのがとっても早い。
そうなんです・・
早く怒らないと他の指導者に叱られちゃいますから。
我が子を自分で怒るのはいいけど他の人に叱られるのを嫌がる方がいらっしゃいます。
これも僕からすると予防線なんです。
他の指導者から「叱られる」チャンスを逃してしまってるんですよね。
親以外の大人から叱ってもらえることは、私は有り難いことだと思います。(叱り方や叱るポイントもありますが)
私の子供も私以外の指導者の方に叱っていただきました。
子供はもちろんですが、親としても「気付きのチャンス」をいただけます。
親だから気づく事もあれば、親だからこそ気づかないこともある。
親だから見える物もあれば、親だからこそ見えない物もある。
親だから効き目がある場合もあれば、親以外の方に叱ってもらえることで効き目がある場合もあります。
「叱られない予防線」
ひょっとすると知らず知らずに張ってしまっているかもしれません。
言いたくなるその一言をぐっと飲み込むことによってお子さんに「気付きのチャンス」を与えるかもしれません。
~年中夢球~