皆さんのチームで二人の選手がいます。
レギュラーの力を持っているのに休みがちなA選手。
A選手に力は劣るけど一回も練習を休まないB選手。
今週末は負けられない大事な公式戦があります。
空いているポジションは一つ。
皆さんはどちらの選手を試合でスタメンとして試合に起用するでしょうか?
正解はありませんが…
これこそが「チーム方針」がどうだったのかが問われるところです。
監督やコーチが
「練習を休みがちな選手は試合には出さない」
と言い続けていたのに大事な公式戦だからといってA選手を起用した。
これは
「言ってることとやっていること」
が違うことになってしまいます。
所謂「軸がぶれた」ことになり、子供は不信を持ち、親からは不満が出始めます。
では…
「練習に出ていても出ていなくても実力がある選手を使う」
あるチームでは監督とコーチがこう言い続けていてA選手を試合で使った。
少し極論かもしれませんがこれは「チーム方針」のままです。
軸はぶれていないことになります。
「チーム方針」を指導者は明確に子供に伝えていっているはずです。
A選手を試合に出すかB選手を試合に出すかは各チームの方針によって変わってくるのです。
つまり、子供達に
「何を言ってきたか」
が大切です。
以前にこの話をチームのコーチと話し合ったことがあります。
「僕はA選手を試合で使います。A選手以外の選手だって、勝ったら嬉しいはずですよ。だったらA選手を試合に使います」
そのコーチはこう話しました。
「自分は練習で出来ないことは試合では出来ないと言い続けてきた。だから、その練習を休んでいるA選手を大事な試合では逆に出すことは出来ない」
そう話しました。
そして、彼はA選手以外の選手が喜ぶと言いましたが『勝てばいい』ってことではないと私の中では思っているんですよね。
「勝ち方」っていうのがあると思っています。
もっと言えば「負け方」っていうのもある。
仮にその大事な試合でA選手を起用して最後にサヨナラエラーをしてしまった。
A選手も深い傷を持つかもしれません。
その時にもっと練習に参加しておけばよかったと思うかもしれません。
では周りの選手はどうでしょう。
そのA選手に何と声を掛けるのでしょうか?
『だからもっと練習にくればよかったんだ』
言葉に出さないにしても心の中で思っていることはあるはずです。
『終わり方』も大切です
その試合が最上級生として最後の大会だとしたら・・
真面目に練習に参加してきた選手たちはその「負け方」では納得して終われないんです。
同じエラーをB選手がしてしまっても掛けられる声はあるはずです。
一生懸命練習してきた姿を知っているから掛けられる声があるんです。
『終わり方』も大切なはずです。
少し話が横にそれますが、これは練習中の態度や自主練をいい加減にやっている選手も同じことが言えます。
ノック中にダラダラしている選手、出来るのにやろうとしない選手・・
「お前の所に最後ボールが行ってエラーをしてサヨナラ負けをした。エラーは仕方ない。だけど、練習を一生懸命がんばっていないお前ががエラーして、最後が終わったら・・他の連中は納得して終われねえんだよ。周りの顔を一人一人見てみろよ。そして、その瞬間、何よりもお前が一番後悔するぞ」
私はかなり厳しい声でそういう選手には叱ります。
話を元に戻しますね。
もちろんAの選手に練習に来るよう、どうして練習に来れないか話をしますが・・
私の場合はBの選手で試合に臨みます。
それが「チーム方針」であり
その方針で「チーム作り」をしてきたからです。
誰でも「勝ちたい」と思っています。
ですが「勝ち方」も大切です。
その結果として「負け方」も大切なはずです。
そういうことを教えていくことが少年野球の指導者として大切な役割なのではないでしょうか?
~年中夢球 photobuchiko~