「アイツには野球のセンスがない」
僕はこの言葉が嫌いで子供に使ったことがありません。
仮にセンスというものがあったとしても、センスの差は小さく、努力の差は大きいと思っています。
そして、その努力を継続する差は更に大きくなっていくと思います。
努力は自分の夢や目標のために、毎日コツコツがんばり・・
そのがんばりが自分にプラスされていく。
努力はどんどん自分がどんどん足されていく足し算。
その努力を見ているチームメイトが、俺もアイツに負けないようにがんばろうと努力をする。
そのみんなの努力がチームに助け合いの力を生み出す。
たくさんの力が合わさるとその努力は「協力」という言葉になります。
個々の努力が周りに力を与え、協力を生み出して広がっていく。
みんなで辛い時も声をかける協力は掛け算。
掛け算は「0」でない限り、その数は大きくなります。
一人より二人・・
二人より三人・・
その協力は強力なものになっていきます。
協力できるチームになっているということはチームワークがよい証拠です。
協力できるということはお互いの心がわかってきている証拠でもあります。
重い荷物を持っている選手がいれば代わってあげたり
辛いことをつらいことを引き受けてあげようとい優しさが野球で芽生えてきた証です。
嫌なことを引き受けるその心遣いは引き算。
辛い練習も悔しい敗戦もみんなで分かち合ってくるようになると
彼らには労りの心が出てきます。
大事な試合に負け自分が一番泣きたいのに
それを我慢して泣いている仲間のそばに行って労わる。
いたわるの心を持つその優しさは割り算。
よく「奇跡を起こす」と言われます。
努力を続けていれば必ず奇跡は起こると言われます。
ですが、たくさんたくさん努力をしてきた野球少年や高校球児達に起こらなかった奇跡もあります。
努力が足りなかったたのだと言われるかもしれません。
ですが、本当に血を滲むような努力をしていた子供に起こらなかった奇跡もあります。
それぐらい「奇跡」というものは起こらないものだと思うのです。
『奇跡』を起こすチームは
足し算・掛け算・引き算・割り算を練習からしてきた『軌跡』のあるチームにしか起こらないのかもしれません。
~年中夢球~