少年野球・中学野球・高校野球と故障なく野球人生を終える選手のほうが少ないと思います。
故障をしているときは本人が一番つらいでしょう。
もちろん親御さんもそんな子どもを見ているのが辛く、元気になってほしいという気持ちになりますね。
「頑張って!」
「頑張ろう!」
と言って元気になるお子さんもいるでしょう。
しかし、頑張りようのない故障もあります。
もしくは、リハビリを頑張っているのに、さらにこういう言葉をかけられることによって、プレッシャーを与えたり、俺はがんばっているのにと思ってしまうお子さんもいます。
故障をしている我が子に何も出来ないことは親御さんにとっても辛いことでしょう。
故障は頑張って積み上げてきた物が、一瞬にして白紙に戻されたような気になります。
親子で話し合うのであれば、「どうして我が子が・・」」「どうしてこの時期に…」と責めるのをやめて 「この機会をどう活かそう?」と未来の力に変えてみてください。
でも・・・
きっと心から元気になることは難しいかもしれません。
そんな時はお子さんに無理に元気を与えなくてもいいのかもしれません。
どんなに元気を与える言葉を投げかけても、本当に元気になるのは故障や怪我が治ってプレーを始めてからだと思うのです。
お子さんの前で元気である必要はあると思いますが、その「辛さ」を共有することが必要なのではないかと思います。
故障や怪我をしている間は親子とも辛い時間です。
故障の治療をしたり、プレーすることを我慢したりするその「辛さ」という経験は、必ず今後の野球人生に、いや、人生に活きてくるはずなのです。
別の言い方をすれば『活かさなくてはいけない』のです。
今後こういう経験をしたくないから普段から体のケアを大切にしようと思うでしょう。
いつも試合に出ている選手であれば、ベンチプレーヤーの選手の気持ちもわかるでしょう。
グラウンド外から見ることによって野球の見方も変わるでしょう。
故障が治った時に、こういう「辛さ」を味わい、未来の力にしようとした選手は、
体が元に戻っただけでなく心も強い野球選手となっていくはずです。
高校3年生の最後の夏前に故障した選手もします。
必死にリハビリしたけれども夏までに間に合わなかった選手もいるでしょう。
その選手と親御さんの気持ちを考えると胸が痛みます。
ですが・・
その経験を今後の野球人生に活かしてほしい・・
そう思っています。
体が「完治」した時に辛いことを経験し
色々感じて知った「感知」がプラスされてこそ、
故障をして得たものがあったと言えるのではないでしょうか?
~年中夢球~
息子は正捕手。故障で1ヶ月以上野球が出来ませんでした。
監督から「来週の練習試合は、キャッチャーお前で行くぞ」とチーム皆の前で復帰戦が。試合前日も監督から、病院の先生の診断の確認と親の了解を取る電話もありました。ケアもテーピングも万全にしましたが、試合に出る事はありませんでした。今後の治療の為にも何かあったのか監督に伺うと、当日の朝、痛みはあるかの問いに、あると言った子を試合に出す訳にはいかないと。その後続く監督から心無い言葉が…。
どんな想いで朝息子は出掛け、私達は見送り、グラウンドで見守ったか!!あの日帰って来た息子の顔は忘れられません。
後輩達にその保護者の皆さんに、何より野球の出来ない辛さ・ケアの大切さ、しっかりと身体のメンテナンスをして下さいと伝え中学野球を卒業しました。
高校2年生になる息子は野球はやっていません。
お子さんの気持ちを考えると胸が締め付けられますね。
ただ指導者の立場からすると難しい選択だと思います。
体のケア・心のケアは本当に大切なことだと思います。