母は何回・・
ユニフォームを洗濯してきたのでしょう。
一番初めに身に付けた我が子のユニフォーム。
ブカブカで…
かっこいいというよりはともかく可愛くて…
野球のことなどわからなかった母はユニフォームを見て
あなたが今日一日どんな練習をしてきたのかを想像することが楽しみでした。
ユニフォームについたハンバーグの汚れ…
みんなと楽しくお弁当を食べてはしゃぎすぎちゃったんだね。
ユニフォームの下の横だけついた泥の汚れ…
今日は試合だったけどボールボーイをがんばったんだね。
みんなが少しでもいいボールで野球が出来るようにとがんばった証拠。
全身泥まみれになったユニフォーム…
今日は特守だったんだね。
この汚れた分だけ野球が上手くなっているはずだよ。
そして…
その想いを込めてする洗濯。
母に出来ることは気持ちよく野球が出来るように真っ白いユニフォームにしてあげれることだけ。
泥だらけのユニフォームはがんばった証。
洗濯は大変だったけど…
子供ががんばった証だから。
そして色々な想いを込めて
洗濯をしました。
高校3年で野球を引退することを決めている息子さん。
母は…
あと何回選択が出来るのでしょうか。
毎日毎日そんな想いでユニフォームを洗っていることでしょう。
夏は近づいてきています。
開幕当初は勝てば
「あと1週間野球が出来る」
そう思っていたのが勝ち進めば進むほど
日程が詰まっていき
「あと3日」
「あと2日」
となっていきます。
いつ終わるかわからない高校野球。
そして…洗濯。
最後のユニフォームの洗濯。
いつもは、次への想いを込めてきました。
「明日もがんばってね」
「明日もユニフォーム泥々にしておいで」
そんな次への想いを込めてユニフォームを洗濯することもなくなります。
最後の洗濯は…
「野球を続けてくれて有り難う」
「お疲れ様」
感謝と労いの言葉で野球最後の洗濯を終えてあげてください。
そして…
母たちも長い間…
洗濯お疲れ様でした。
面倒だと思っていた洗濯もなくなると心にポッカリ穴が空いてしまっているかもしれません。
これからは全てが「想い出」に変わります。
最後のユニフォームをたたみ終わった時…
色々な想いが込み上げてくるのかもしれません。
~年中夢球~