先日ある学童野球の監督さん達と食事をする機会がありました。
苦手な子についてのご質問がありました。
ある監督さんが私に
『今まで子供達の中で・・言う事を聞かない子っていましたか?』
と質問されたので
『いますよ』
とお答えしたら・・
『人間ですから苦手だという感情は意識と違う所で出てしまいますが・・でもそこから【嫌いになる】といった所まではありません。』
そうお答えしました。
『実はうちのチームに言うことを聞かないし整列もしっかり並ばない。コーチの話も聞かない子がいて…』
とその監督さんがお話したので
『苦手ですか?』
と聞くと
『はい…でも嫌いではないです』
と苦笑いをしながら
『本間さん…そういう選手がいたらどうしているんですか?』
と質問されました。
『監督さんはその選手をどうにかしたいわけですね?何年生ですか?』
『4年生です。何とかしてあげたいです』
と監督さん。
『ではその選手がどんな選手かを書いてみてください』
と監督さんに言うと…
・人の話を聞かない
・仲間にちょっかいを出す
・集中力が持たない
・すぐに言い訳をする
・親が甘やかしすぎる
監督さんはあっという間に書き出しました。
最後の親が甘やかしすぎるというのは本人には直接的には関係ないので外しました。
『ではその選手のいい所を書いてみてください』
そう言うと
『えっ!いい所ですか…えっと…いい所…』
苦手だと思っていた所はすらすら出たのですが今回はペンがなかなか動きません。
しばらくしてから…
・元気がある
・落ちこんでいる仲間に声をかけている時がある。
そう書いてくださいました。
普段から苦手だと思っているので長所と言われてもなかなか書けないのは当たり前のことだと思います。
『この2つのことを誉めたことはありますか?』
そう聞くと…
『誉めたことはありますがほんの少しだけかもしれません。叱ることが多すぎて…』
確かに仲間にちょっかいを出したり人の話を聞かないことは
良いことではありませんから叱られることも当然とも言えます。
『叱る時にはどんな感じで叱りますか?』
と聞くと…
『仲間にちょっかいを出すな…ちゃんと整列しなさい…そうすると口答えをしてくるので…いいから並びなさい』
『そうなりますよね…わかります』
説得しようとすればするほど・・
相手は拒否反応を示す事が多くなります。
子供を納得させることが出来ないと・・
なんとか力ずくで子供を説得しようとすると余計に子供は言う事を聞かなくなります。
人は【説得】されるのを嫌いますが・・
自分で【納得】することには快感を覚えます。
ですから・・
説得しようとするのではなく納得してもらうようにすることが大切です。
何故・・
きちんと整列しなければならないのか。
何故・・
道具を大切にしなければいけないのか。
小学4年生・・
今わからなくても数年後に・・
『あのコーチが言っていた事はこういうことなのか』
と納得できる日が来ればそれでいいと思っています。
それは何かの拍子でいきなりそう思うかもしれませんし・・
心の成長が体に追いついて来た時にそう感じるかもしれません。
~年中夢球~