少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

高校野球 たった一人のマネージャー

それぞれの夏・・。

マネージャーさんのお母様からメッセージを頂きました。

一人のマネージャー

娘の夏が終わりました。

私の娘は小学生から高校で野球部のマネージャーになることを夢見ていました。

私自身も高校野球のマネージャーをしていて娘によく

『マネージャーはいいよー』

とよく話していました。

きっとそれが娘に影響を与えたのでしょう。

少年野球に入り中学も男子部員の中に入り野球をしていました。

高校で夢でもってあったマネージャーに・・。

甲子園に出るようなチームではありませんでしたが娘は輝いていました。

3年生のマネージャーさんが一人。

2年生のマネージャーさんは0。

娘の代は娘を合わせて3人のマネージャーが入部しました。

3年生のマネージャーさんが引退し…

娘と同期のマネージャーさん2人もマネージャー生活が厳しいと辞めてしまいました。

 

娘は一人ぼっちのマネージャーになりました。

『大丈夫?』

そう聞くと・・

『大丈夫』

としか娘は答えませんでした。

娘は一人でマネージャーの仕事をする日々が続きました。

娘は私に弱音を吐くことはありませんでしたが…

きっと辛かったのだと思います。

それでも休むことなく…

朝早くから夜遅くまで本当にがんばっていたと思います。

親の私はその姿を見ていて切なくなるほどでした。

翌年の4月…

『後輩のマネージャーさんが入ってくれたら…』

そう思っていましたが…

マネージャーさんの入部はありませんでした。

また1年…

一人でマネージャーをすることになった娘。

試合を観に行くと

スコアをつけたり…

ジャグを持ったり…

審判さんにお茶出しをしたり…

その表情はいつも笑顔でした。

『無理しているんだな』

親の私にはそう見えました。

最後の夏・・

娘が3年生になった時…

1年生のマネージャーさんが2人入ってきてくれました。

娘も嬉しかったのでしょう。

いろんな話をしたみたいです。

最後の夏…

娘の夏は初戦で終わりました。

試合が終わり泣いている部員一人一人声を掛けている娘。

やっぱり笑顔で…。

すると部員全員が娘の前で整列を・・

『今まで本当にありがとうございました』

そう言ってくれました。

今度は部員全員が笑顔で・・

反対に娘は涙を流しました。

おそらく初めて流した涙だっと思います。

高校野球最後の日に・・

初めて流した涙。

帰りの車で娘にこう私は言いました。

『今まで辛かったね。本当にがんばったね。お疲れ様』

すると娘はこう私に言ってくれました。

『お母さん、私は辛いと思った事は1回もなかったよ。楽しい想い出しかない。いつも部員のみんなが私の周りにいてくれた。重たい荷物を一緒に持ってくれたり、冗談をたくさん言ってくれたり・・。辛いと思ったことは本当に1度もないの』

そう言っていつもの笑顔で嬉しそうに話してくれました。

私が思っている以上に・・

みんなに愛されていたのが嬉しくて涙が止まりませんでした。

そんな私を見て・・

『マネージャーっていいよーって、私も子供が生まれたら言うと思う』

孫のマネージャー姿を見る事が今から楽しみになっている自分です。

~年中夢球~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。