一日でも長い夏を・・
そう思っているのは球児だけではありません。
娘がマネージャーをしていた2年前の夏。
いつもは見掛けないお母様の姿があったので
『何年生のお母様ですか?』
そう声を掛けさせていただきました。
そのお母様は・・
『あっ・・ウチの子・・野球部じゃないんです。バトン部なんです』
そう答えて下さいました。
ウチの娘の学校は吹奏楽もバトン部も盛んで野球部の応援にいつも来てくれていました。
この吹奏楽の生徒さんやバトン部の生徒さんのお陰で・・
応援にはいつも華やかさがありました。
『あっ・・そうなんですね。いつも野球部のためにありがとうございます』
そう言って離れようとすると・・
『最後なんです。バトン部も・・。野球部の夏が終わる時に娘の部活も終わります。だから一日でも長く・・野球部がんばってください!』
そう話してくださいました。
バトン部は全ての大会が終わり・・
この夏の野球部の応援が最後の活動になるのです。
野球部の応援ですから・・
何かの賞をもらえるわけでもありません。
トロフィーやメダルがあるわけでもありません。
ただ野球部だけのために・・
彼女達は応援に来てくれているのです。
吹奏楽もバトン部も・・
野球部という高校の仲間を純粋に応援してくれる。
高校野球の素晴らしさってこういうところにもあるんだな・・
そう思いました。
『お互い一日でも長い夏にしましょうね』
そう言ってお母様と別れました。
娘の夏はベスト16の手前で終わりました。
試合に負けた日・・
野球部は球場から学校に戻りました。
そして…
野球部だけでなくバトン部も…。
学校に戻り娘とバトン部の生徒さんが抱きあって涙を交わしている姿がありました。
部は違えど…
同じ日に終わった夏。
高校野球は…
野球部だけのものではない。
高校球児はたくさんの人に応援してもらえている・・
この夏も・・
たくさんの応援してくれている人のために・・
一日でも長い夏を・・
~年中夢球~