一通のメッセージが私の所にやってきました。
引退試合を終えたお母様からです。
私はここ数日間SNSを見ていませんでした・・
というより意図的に見ませんでした。
最後の夏に背番号をもらった背番号の写真。
メンバーが掲載されている新聞の写真。
『背番号もらいました!』
『エースナンバーです!』
情けない話ですが・・
そんな投稿を素直に見られない私がいました。
私の子供は最後の夏に・・
背番号をもらえませんでした。
【全ての高校球児を応援したい】
そんな風に思っていたのに・・
いざ我が子がこういう状況になると・・
素直な気持ちでいられない自分がいました。
そんな自分に・・
又・・自己嫌悪になっていきました。
そして・・
引退試合のお知らせが来ました。
6月なのに・・
終わってしまう我が子の高校野球。
行きたい気持ちと行きたくない気持ち・・
正直行きたくない気持ちの方が強かったです。
引退試合の前の日・・
これでもう本当に終わりなのかと思うと・・
最後の背番号を縫いながら・・
涙がボロボロ流れてきました。
引退試合の日。
息子は本当に楽しそうにプレーをしていました。
少年野球・中学野球・・そして高校野球。
私が見た中で一番楽しそうにプレーをしていました。
何かから解き放たれたかのように・・
笑顔がたくさん溢れている顔でした。
それはウチの子だけでなく・・
他の選手も皆同じでした。
試合が終わると・・
メンバーに囲まれている引退試合を終えた選手達は皆・・
涙を流していました。
ウチの子も・・。
私が見た中で・・
一番号泣している姿がそこにありました。
さっきまであんなに笑顔だったのに・・。
一番の笑顔と・・一番の泣き顔を見ることになるのが・・
引退試合なのかもしれません。
引退試合を終えた一人の選手が
『よっしゃ!明日から応援練習忙しくなるぞ!』
そう大声で声を掛けました。
『よっしゃ!メンバー支えんぞ!』
次々に続く声。
その顔はまた笑顔に戻っていました。
息子が私の所に来てくれて一言だけ
『今までありがとう』
そう言ってくれました。
もう息子の顔にも涙はありませんでした。
引退試合って・・
【一つの区切り】なんだって思いました。
もう息子の背中に背番号が付くことも・・
スコアボードに名前が載ることもありません。
でも・・
ここからはメンバーを支えていくという区切りのスタートライン。
私もやっと【区切り】が付けられました。
がんばれ!全国の高校球児たち・・
やっと心からそう言えそうです。
~年中夢球~