ベンチ枠から外れてしまった選手。
そして・・その親御さん。
スタンドから応援できることも当たり前ではないのです。
スタンドで仲間を応援することが
【当たり前】ではない高校球児がいます。
鹿児島県の徳之島高校。
鹿児島県まで船で16時間かかる離島の高校球児たちがいます。
約40名の部員。
彼等もこの夏に挑む高校球児です。
しかし・・
他の高校球児と大きな違いがあります。
ベンチから外れた部員たちは・・
球場で応援することが出来ません。
スタンドから仲間に声援を送ることが出来ません。
船の往復料金は経済的にも大変なものになってしまうからです。
ベンチ枠から外れてしまった約20名の選手は大会に行く選手を港から送り出すそうです。
元気いっぱいの校歌と応援歌で・・
彼等を送りだします。
本当は一緒の球場に行きたい気持ちを校歌にのせて・・。
鹿児島県大会で・・
ベスト8かベスト4になると部員全が球場にかけつけることが出来ます。
ですから・・
背番号をもらった選手は港で島に残っている選手を球場に呼ぶ約束をするそうです。
それは・・
徳之島という小さな島の大きな大きな約束。
約束というより・・
【誓い】なのかもしれません。
誓いの船出。
島に残っている選手が球場にかけつけるまで・・
勝つと背番号を付けた選手は20名だけで校歌を歌います。
球場で校歌を歌っていると・・
送りだしたあの港での仲間の校歌が聴こえてくるそうです。
きっと・・
それは歌だけでなく・・
島に残っている選手の想いも感じているはずです。
今年3年生のピッチャーの光君。
光君には一つ下の妹さんがいます。
妹さんの名前は心花さん。
心花さんは徳之島高校の2年生の野球部マネージャー。
しかし・・
マネージャーも勝ち進むまでは1人しか球場には行けません。
心花さんが1回戦から応援できるかどうかはまだわかりません。
ひょっとすると・・
勝ちあがってからの応援になるかもしれません。
兄は島に残っている20名の部員と・・
妹のために投げ続けるのです。
もうすぐ・・
やってくる夏。
たくさんの想いを背負って徳之島高校の高校球児たちは島を出ていきます。
写真は・・
島に残る部員から・・
船に乗った部員へのメッセージ。
WIN・・の人文字。
徳之島高校の合言葉は
【島から甲子園!】
離島から甲子園を目指す高校球児たち・・
部員全員同じ球場で高校野球を終える・・
仲間のために負けられない夏がやってきます。
7月6日・・鹿児島県大会開幕。
徳之島高校の戦いが始まります。
~年中夢球~