この時期は高校の野球部さんに呼ばれることが多く・・
高校の野球部さんで講演会をさせていただいています。
最後の夏の大会の前の大切な時期。
私は高校3年生にこう聞きます。
『どういう夏にしたい?』
こう尋ねると殆どの選手がこう答えます。
『悔いなく終わりたいです』
『悔いなく終わるっていうのは具体的に言うとどういうことかな?』
と聞き返すと・・
『えっと・・持っている全ての力を試合にだせればいいと思います』
こう彼等の多くが答えます。
確かに・・
悔いを残さないように
と思う事は大切な事です。
悔いのないようにという言葉はよく使われる言葉。
悔いの無いほど精一杯努力をして・・
仮に最後の夏の大会で負けてしまっても・・
満足できるのであればそれはそれで素晴らしいことだと思います。
僕が高校3年生に言いたいのは・・
最後の大会に負けた試合ではなく・・
日々の練習や私生活に悔いがないのか?という事です。
最後の夏の大会の試合を想像して下さい。
当然その試合は練習以上のものは出てきません。
練習でどれだけレベルアップをしてこれたのか?
どれだけ必死で練習をしてきたのか?
それが試合に出てくるわけです。
いい加減に練習をやってきた選手が・・
『悔いのない夏にしたいです』
と大会前に言って・・
大会後に
『悔いはありません』
と言うのはちょっと僕の中では違うんですよね。
ただ・・
こういう選手が試合後に・・
『もっと練習をちゃんとやっておけばよかった』
と気がつくことは今後の人生の大きな収穫になると思います。
去年の夏・・
私の教え子は周囲が驚くほど泣き崩れ立てないほどでした。
真摯に練習をする選手で誰よりも努力をする選手でした。
試合後に私に在った時も
一人で立ち上がれない彼を支えた時・・
『悔いばっかりです』
彼は絞り出すようにそう言いました。
一生懸命やってきた彼だからこそこの言葉が出てきたのだと・・
そう感じました。
彼は今後の人生でもその『悔い』を糧にしていくはずです。
そして・・
その悔いが彼の今後の原動力になるはずです。
誰だって・・
悔いは残したくないはずです。
悔いのない最後もいいですが・・
悔いがある最後も・・
悪いものではないのかもしれません。
悔いを残したくない・・
そう高校3年生が言うのは・・
本心でもあり・・
そう言わないと夏が終われないのかもしれません。
~年中夢球~