私のSNSのお友達のお話です。
父と子の素敵なお話です。
私の父はとても野球に厳しい人でした。
「男は1番にならなきゃ意味がねえ」
それが口癖。
私は少年野球も中学野球もピッチャーでした。
小学6年生の時も・・
中学3年生の時も・・
背番号は【1】。
父の大好きな【1】。
背番号をもらう度に【1】でなかったらどうしよう…
父に怒られる…
毎回そんなことを考えていた自分がいました。
高校野球に進み…
それなりの自信もありましたが…
上には上がいることを痛感されました。
1年生の時はメンバー外。
野球人生の中で初めて背中に番号がない1年間を過ごしました。
2年生も春まではメンバー外でしたが夏に20番の背番号をもらいました。
この頃…
父との会話も少なくなっていましたが
「1番じゃねえのか」
そうポツリと言われました。
父が嫌いでした。
うっとおしかった。
【俺だってがんばってるのにお父さんに何がわかるんだ】
心でずっとそう思っていました。
最後の夏・・
私がもらった背番号は【1】ではなく・・
【10】番でした。
父は・・
もう何も言ってきませんでした。
初戦・2回戦と背番号【1】のエースが投げ・・
迎えた3回戦。
2点リードのまま7回の時・・
エースが足をつって降板。
背番号【10】番の私がマウンドに・・。
2点のリードを守れませんでした。
3点取られ逆転負けをして私の高校野球が終わりました。
自分のせいで負けたというみんなへの申し訳ない気持ちと・・
やはり私は【1】番ではなかったんだという思い。
試合が終わってもしばらく誰の声も耳に入らず・・
ただただ・・ボーッとしていた自分がいました。
球場から家に帰る車。
父と母と3人の重くるしい雰囲気の中で・・
『1番だったぞ・・』
と父の声。
何のことかわからず黙っていると
『背番号が10番でも俺にとってはお前が1番のピッチャーだ』
そう涙声で父は私に言ってくれました。
私も涙が止まりませんでした。
今ではもう他界した父ですが夏になると・・
あの父の言葉を思い出します。
~年中夢球~