指導者と親御さんの関係は仲がいいに越したことはないですよね。
ただ指導者と親御さんの距離感というのは非常に難しいものがあり近すぎても遠すぎてもいけないものです。
私自身、指導者として親御さんに接するときに一つだけ気をつけていることがあります。
それは
「本当のことを言う」
ということです。
なんだ当たり前のことじゃないか・・
とお思いだと感じられたかもしれませんが・・
これが意外に難しいことだったりします。
野球の終了時間になるとたくさんの親御さんがお迎えにグラウンドにやってきます。
私自身、出来る限り今日のお子さんの様子を親御さんに伝えたいと思っているんですね。
「本当のこと」を…
「〇〇くんは、今日は本当にがんばっていましたよ。皆がびっくりするぐらいのいい声を出してがんばっていましたよ」
以前あるコーチがお迎えに来た親御さんに話をしているのを耳にしたことがありました。
あれ・・?そんなにいい声出していたかな…どちらかというと元気なかったように思えたので疑問に思い、そのコーチに聞くと・・
「いや、最近、〇〇の親も色々と悩んでいるみたいなので安心させてあげようかと思って」
という答えが返ってきました。
これはちょっと違うんですよね。
事実と反したことを親御さんに伝えたり話を誇張したりすることは僕の中ではないんです。
そして、事実でないことを話せば後々に誤解を生み揉めるケースもあります。
その子が元気がなかったら
「今日は元気ありませんでしたね。最近、何かお家で野球のことを話していませんか」
と話をすることが大切であり・・
親御さんを元気にするためだったり・・
親御さんにいい顔をしようとして・・
指導者が「がんばった子供」を指導者が造り上げてはいけません。
これは、逆の場合もあります。
がんばったお子さんがいるのに指導者が
「がんばらなかった子供」
を親御さんに伝えるケースもあります。
指導者から親御さんへの言葉は指導者が思っている以上に重く責任のある言葉です。
親御さんは「本当のこと」を知りたいと思うのです。
そして「本当のこと」を言うからこそ親御さんから信頼されるのではないでしょうか。
がんばったことが事実であれば、もちろん私も親御さんにそう話します。
でも、練習態度があまり良くなかった時も私はそのままお話をしています。
そして、大切なことは・・
誇張せずにありのまま話すこと。
誉める人もけなす人もいると思いますが・・
本当のことを言ってくれる人は実はなかなかいないのではないか…
そう思っています。
がんばれなかった日も子供にはあります。
それを親御さんに伝えるのは心苦しいときもあります。
そして、それを聞いた親御さんも辛い気持ちになるかもしれません。
でも…
だからこそ、お子さんががんばった時に、子供、親、指導者がその喜びを共有できるのだと思います。
~年中夢球~