色々なチームさんと試合をやらせていただくとプレーだけでなくマナーや礼儀などをきちんとされているチームさんと試合をするととても勉強になり襟を正す思いになります。
その反面…
ある練習試合で…
一人の子がずっと責められているチームさんがありました。
この子の練習態度に問題があったのかどうかは試合しか見ていない私にはわかりませんが明らかに「責められている」ようにしか見えませんでした。
守っている時も打っている時も…
「○○!声出せよ!」
「○○!しっかりやれよ!」
「○○!何やってんだよ!」
お互いに「信頼関係」があればこういう声も叱咤激励になりますが…言われているその子はずっと下を向いたまま。
ベンチの監督・コーチも何も言わず1回から試合終了まで
「○○!」
の声はずっと続いていたので私も彼の名前を覚えてしまったぐらいです。
「大丈夫かな…あの子」
心にずっと引っ掛かっていました。
それから数ヵ月してまたこのチームさんと練習試合をしました。
また
「○○!しっかりやれよ!」
その声は試合中もずっと続きました。
おそらく…
練習中もずっとそうなのでしょう。
うちの選手達が
「あれ…ひどすぎませんか?」
と子供でもわかったくらいですから。
よく見ると…
その子に対して発端の口火を切る選手が二人。
特にそのうちの一人の選手の言い方は目に余るものでした。
こういった子は「支配欲」が強い子です。
時に会社などでは支配欲はプラスになることもありますがこの子の支配欲は明らかに間違った方向に向かっています。
そして周りの子の「間違った仲間意識」が加速させてこのようなことになってしまったのでしょう。
その間違った「支配欲」と「仲間意識」を正しい方向に軌道修正することが指導者の役目でもあります。
間違えた支配力と仲間意識を持つ心底には『恐怖心』があります。
自分もやられたらどうしよう・・
その恐怖心が『持ってはいけない連帯感』として表れてきます。
しばらくして…
別のチームさんと練習試合をした時にあの○○君の姿がありました。
チームを移籍されたんですね。
色々考えた結果だったのでしょう。
仲間の声に応えいい顔で野球をしていました。
そして…
あのチームさんと練習試合をした時…
○○君を個人攻撃をしていたリーダー格の子が
「××!何やってんだよ!」
「××!しっかりやれよ!」
今度は周りの子から個人攻撃される側に代わっていました。
その言葉にうつ向く彼。
彼は○○君にした自分の行動をきっとわかったはずだと思うんです。
子供は時に間違った方向に向かいます。
子供だから間違えるんです。
それを「間違えだ」と大人が教えてあげなければいけません。
『チームとは何か?』
技術を教える前に我々が子供に伝えなければならないものです。
~年中夢球 photo buchiko ~