「全力疾走しなさい」
「全力で走りなさい」
少年野球の指導者の皆さんも日々、子供達にこう話していらっしゃると思います。
では何故「全力疾走」が必要なのでしょうか?
指導者として「理由」を伝えることは大切なことです。
子供達に何故、全力で走ることが必要なのかと質問してみると
①内野安打になるかもしれない
②相手が慌ててエラーをするかもしれない
そんな意見があがりました。
ポップフライを打ち上げてしまった選手はどうでしょうか?
「あーやってしまった」
そんな思いで打ち終わった後に、ゆっくり走りだし、エラーをすると慌てて走り出す。
こういう選手には私は厳しく叱ります。
フェアグラウンドにボールが飛んだ。
真正面のセカンドゴロだった。
内野フライだった。
「まだアウトじゃない」
当たり前のことですが、審判が「アウト」のコールでアウトが成立します。
そのコールまでは「可能性」がある訳ですよね。
ヒトマス分の負け
セーフの可能性があるのに自分からその可能性を0にしてしまっている訳です。
僕は野球は4マスのすごろくだとよく彼らに話しています。
「今の内野フライで全力疾走していたら二塁まで行けたはずだ。お前は一塁までしか行かなかった。最終回にランナー三塁まで進んで負けてしまったら、このヒトマス分の負けだ。一点じゃない。全力で走らなかったヒトマス分の負けだ」
過去に内野フライを打ち上げて全力疾走しなかった選手にこう言ったことがあります。
試合で負けている時に一番大切なことは何でしょうか。
「最後まで諦めない気持ち」
のはずです。
全力で走らないということは「勝つ可能性」を捨てているのと同じです。
野球をする上での根本的なことです。
高校野球を見ていると大差でも全力疾走している高校球児の姿があります。
あれこそが「最後まで勝つ」という可能性を信じているのだと思います。
「逆方向に打とう」
「強い打球を打とう」
打つ前には色々なことを考えてバッターボックスに入りますよね。
でも打ち終わったらすべきことは一つしかないはずです。
「全力で走る」
当たり前のことですが、これしかセーフになる可能性がないのです。
全力疾走は走者の時だけではありません。
そして攻守切り替えの時の全力疾走。
いい時は子供達は何も言わなくても全力で走ってきます。
点を取られた時やミスをした時に足どりが重くベンチに帰ってきてはいけません。
ここでこそ気持ちを切り替えるための全力疾走が必要です。
そして、それは試合の時だけでなく練習から作られていくものです。
試合での全力疾走は「可能性」です。
セーフになる可能性を信じて…
そして、何点差があってもそれが勝利に繋がると信じて…
凡打を打ってもまだアウトでではない。
凡打にもセーフの可能性はある。
「凡打全力疾走」
なのです。
~年中夢球 photo buchiko~