子供によっては低めが好きな子もいれば高めが好きな子もいます。
私はリトルリーグの指導者をしていますが、低めが苦手な子のほうがが多いです。
小学生で硬式を使っているので、苦手というより「飛ぶ確率が低い」というほうがしっくりくるかもしれません。
低めは前の手で捌くので、右のリストが強い右投げ左打ちの選手は逆に低めのほうが得意だったりすることもあります。
全員低めに手を出すなではなく、低めが得意な選手を見つけるのも指導者の大切な役目といえるでしょう。
それでも低めが苦手な選手が多いのが現実です。
よく試合中も
「ローボールOKよ!」
という声をよく耳にしますね。
低めに手を出すな!
私も若い頃に試合中によくこう言ってました。
「低めに手を出すなよ!」
「低めのカーブは打つなよ!」
攻撃の円陣で常にこう言っていた気がします。
「低めに手を出すな」
「低めのカーブは打つな」
私は若い頃にこういう「否定的な言葉」を多く使っていたように思えます。
皆さん…突然ですが…
「ピンクの象を想像しないでください」
…
…
思わずピンクの象が頭に出てきませんでしたか?
否定的な言葉を使うことによって逆に想像して意識してしまうことがあります。
「低めの球に手を出すな」
という私の指示が逆に低めばかりを意識させ、本来狙うベルトより高めの球すら手が出なくなってしまうことが多くあったような気がします。
今は
「低めに手を出すなよ!」
ではなく、
「ベルトより高い球を振っていこう!」
と言い方を変えています。
本来の目的は
「ベルトより高めの球を打つ」
なんですよね。
「低めは打つなよ」
という指示だと本来の目的より、そっちばかりに子供は気をとられてしまうわけです。
「三振するなよ」
「エラーするなよ」
「フォアボールを出すなよ」
指導者からするとありますよね。
ここは三振だけは勘弁してほしい場面やフォアボールだけは出して欲しくない場面。
その思いから言ってしまうこれらの言葉が逆に幼い小学生には頭に残ってしまい、意識してしまうことがあるのではないかと思います。
そして、これらの否定的な言葉は全て結果論なんですよね。
三振もエラーもベンチフォアボールも…
「三振するなよ」ではなく…
「自分のスイング!」とか「練習のいいイメージでいこう」
「エラーするなよ」ではなく…
「足使っていこう!」とか「一歩目早くな!」
「フォアボール出すなよ」ではなく…
「腕振っていこう!」とか「打たせていこう」
否定的な言葉や結果を求める言葉より、幼い小学生にはこっちのほうが気分よくプレーできるような気がしませんか?
伝える側が同じものを求めていても言葉ひとつで受けとる側には違うものに感じたりプレッシャーに感じてしまうことがあるかもしれません。
そして、このような否定的な言葉を何度も何度も使ってしまえばしまうほど子供の脳裏に残してしまいます。
否定的言葉ではなく前向きな言葉で…
コーチングの大切さのひとつだと思います。
~年中夢球~