受験シーズンが終わると新学年が始まります。
私は子供に勉強を指導していますが学校の先生がそのまま繰り上がる先生の科目は相当がんばった姿を見せないと成績は上がりづらいと子供に話しています。
逆に新しい先生の科目は急に成績が上がったり下がったりすることが多くあります。
それは…
『先入観』
があるかないかです。
我々野球の指導の場合はどうでしょうか。
低学年だった選手が高学年に上がってくる。
『あの選手は正直苦しいですよ』
『あの選手は内野は厳しいです』
『あいつはいいピッチャーです』
『あいつは4番ですね』
低学年だったコーチが色々と話してくれますが僕はあまり聞いてません(笑)
それは『先入観』を持ちたくないからです。
『先入観』や『思い込み』のせいで子供の可能性を見逃してしまう危険性があります。
子供はどの子も可能性を秘めています。
その可能性を見つけ…引き出し…自分のものになるまで付き合うことが指導者の大きな役目です。
『あいつは使えない』
そんな言葉を指導者は軽々しく口に出してはいけません。
それは子供の『可能性』を奪い取ることです。
どんな子でも可能性を持っています。
『あいつは使えない』
そう言う指導者こそ
『指導者として使えない』
と私はそう思います。
子供の可能性を奪い取るのではなく見つけ出すことが指導者の役目です。
その可能性を見つけることは大変なことです。
投げ方…
打ち方…
捕り方…
野球に対する取り組み方…
その一つ一つをじっくり見てその可能性を見つけるわけですから。
『あいつは使えない』
その言葉を言われていた子が私のチームに上がってきました。
マイナー時代はほとんど試合も出たことのないこの選手を私はサイドスローのピッチャーに指名しました。
去年の夏…
高校3年生になった彼の試合を観に行きました。
マウンドには『サイドスロー』の彼が立っていました。
最後は力尽きましたが彼の『最後の試合』を観れたことは残念でしたが、ある意味幸せでした。
試合終了後…
彼のお父さんが涙でぐちゃぐちゃになった顔で私にこう言ってくれました。
『本間さん…あの子に可能性を見つけてくれてありがとう』
その後…彼が出てきました。
『本間コーチ…ありがとうございました』
と言ってくれたことに私も
『ありがとう』
と返すとあとは言葉にならずに二人で泣き合いました。
可能性を信じてそれを自分のものにして高校野球までやり遂げた彼にこそ心から
『ありがとう』
の気持ちでいっぱいです。
~年中夢球~
涙が、溢れてきました。