選手がボールを怖がります。
いい方法はないでしょうか・・
こういったご相談をよくいただきます。
ノックでボールを怖がる子がいます。
指導者の皆さんはどう接しているでしょうか?
「ボールを怖がるな!」
こう話していませんか?
そうなんです。
一番大切な事は「ボールを怖がらない気持ち」を持たせてあげることなんです。
では、その方法はどうでしょうか?
ノックを打ち続けながら何度も「怖がるな」と言ってノックを打ち続ける・・
確かにこれで克服出来る子もいるでしょう。
私も若い頃はこんな感じでした。
ですが、このやり方で「ボールを怖がらない気持ち」を持てた子は少なかったと思います。
今・・
ノックを打って何度も怖がってしまう子に僕が言う言葉があります。
「いいかい。覚悟がなければ何度やっても同じだ。一度ノックから外れて覚悟が決まったら自分から入ってきなさい」
フォローしてくれるコーチがノックから外れた選手に話をして、順番に戻そうとしてくれます。
ですが・・
僕の中ではちょっとストップなんですね。
話をしにいってくれたことはありがたいことで必要なことなんですが
「自分と向かい合う時間」=「覚悟を決める時間」を持たせてあげて欲しいんです。
周りではなく自問自答する時間を作ってほしいんです。
ノックの順番に自ら戻ってきた時・・
いい顔してるんですよ。
覚悟が決まった顔をしています。
覚悟が決まらないでいる子もいます・・
そんな時、仲間が声を掛けてくれます。
「〇〇なら大丈夫だよ!」
「俺もボール怖えぞ!だからがんばろ!」
そんなチーム作りをしているかどうかも大切な一つです。
「ボールを怖がるな」と言って気持ちの部分を伝えても上手くいかないことが多くあります。
技術的なことはどうでしょうか?
ボールが怖い捕り方をノックの時にしてはいないでしょうか?
ボールが怖いと思う選手の多くは捕る時に足が止まっています。
低学年の子においてはノックから一歩も動かない子もいるでしょう。
怖いんです・・止まって捕ると。
ですから、まずはその話を子供にします。
「いいかい。今から本間コーチが君の目の前までダッシュしてくるから一歩も動いちゃだめだぞ。目もつぶっちゃだめだぞ」
そう言ってダッシュして止まっている子供の前までダッシュしていきます。
殆どの子が目をつぶるか近くなるとよけます。
「怖いだろ?動いているものに対して止まってる方は絶対怖いんだよ。だから自分も動いてみよう。動いている時に声を出してみてもいい。ウオーでもなんでもいい。まずは動いてボールに向かっていこう。」
これがボールに向かっていく気持ちということなんですね。
それでも止まってい捕球することが怖いとわからない選手には「正座ノック」をします。
文字通り足を一歩も使えない状況でノックをします。
足を使えなくさせちゃうんですね。
足が使えないとどれほど怖いのか・・
それを実践してもらう一つの方法が「正座ノック」です。
正座ノックの後に普通のノックを打つことで、足を使うこと、ボールに向かっていく気持ちの大切さがわかるかもしれません。
そして、この時にボールが捕れなくても叱らないであげてください。
ここでの目的は捕ることではありません。
足を使えばボールは怖くないという所まで出来るようになってきました。
こうなってくると正しいステップを教え・・
そして、全部が全部前に行かなくてもいい時も指導してあげなければいけません。
全てには段階があります。
「ボールを怖がるな!」
という言葉は必要です。
ですが、どうしたらボールを怖がらくなるかを気持ちの部分でも指導し、技術的な部分でも指導しなければ、子供には伝わらないかもしれません。
大切なことは「言ったこと」ではなく「伝わったこと」です。
~年中夢球~