講演会でもよくお話させていただくのですが・・
親が野球少年に出来る「応援」とはどのようなものなのでしょうか?
お正月の箱根駅伝のCMで
「応援に来なくてもいいと言われたけどあなたを陰から応援をしていた」
みたいなCMをやっていました。
ご覧になりましたか?
小学校の低学年ぐらいは親御さんが応援に来る事を喜ぶ選手も多いですが
高学年くらいになると親御さんが応援に来る事を嫌がる選手も出てきます。
これが中学・高校生ぐらいになってくるとその数はさらに多くなってきます。
高校生ぐらいになってくると
「どっちでもいい」
と言う子がいますが、この場合は本当に
「どっちでもいい」
という心理です。
親が試合を観に来ても来なくても・・
おそらく関係ないんですね。
自分が野球のプレーをすることに親が見ていようが見ていまいが別に関係ないと思っているのだと思います。
親からしてみると少し寂しい事ですが
これはこれで子供の成長であり自然の事のように思えます。
「親が観にきているからがんばるぞー!」
とテンションが上がる子はそうそういないでしょうから^^;
「どっちでもいい」
は、まだいいのですが
「応援に来ないで」
という子がいます。
こう言われてしまうと親御さんは困ってしまいますよね。
では何故お子さんはこのような事を言ってしまうのでしょうか?
それは『恥ずかしさ』からです。
この「恥ずかしさ」には子供によってそれぞれ違います。
『思春期特有の恥ずかしさ』と『立場的恥ずかしさ』に分かれます。
親が観に来るというだけで恥ずかしさが出てくるのは思春期的恥ずかしさですね。
ただ問題はここからです。
更にそこに練習や試合に観に来た親御さんが・・
お子さんにたくさん話しかけたらどうでしょうか?
『飲み物はある?』
『お弁当はちゃんと食べた?』
更にグラウンドで
『今日の試合、絶対勝つのよ!』
『ホームラン打ってね!』
などと言われた子供は違う意味での『恥ずかしさ』を感じてしまうものです。
また自分の環境や立場を観てほしくない子供もいます。
これが「立場的恥かしさ」です。
スタメンで試合に出られない。
なかなか試合に出られない。
そんな自分を見てほしくないと言う気持ちから
『試合の応援に来ないで』
という選手もいます。
以前、私のチームにもそういう子がいましたが
「お前のベンチのプレーは全く恥ずかしいことではない。お前がいてくれないと俺もみんなも困る。自信を持ってそのプレーをお母さんに応援してもらいなさい』
と話した事があります。
また『うっとおしさ』を感じる子もいます。
先ほどのようにグラウンドであれやこれやを親御さんが子供さんに話せば
子供は『恥ずかしさ』の他に『うっとおしさ』を感じます。
そして・・グラウンドだけでなく家に帰って来ても
『あの時のあのプレーは何なの?』
と話をされれば子供は
『もう応援に来ないで』
となってしまうのかもしれません。
家で野球の話をする時は感情的にならずに話し合うべきです。
「どうして出来ないんだ」
と話すのではなく
「どうしたら出来るようになるのか」
を焦点にお話する事をお勧めします。
小学校高学年や中学生は思春期・反抗期の真っ只中です。
本心で『試合に応援に来てほしくない』と思っている子もいれば
『本当は観に来てほしいけど・・』言葉で逆の事を言ってしまう子もいるでしょう。
時には子供さんの意見を尊重する事も必要でしょうが・・
いつかは子供の「ユニフォーム姿」を観られない日がやって来ます。
その時に
『もっと観に行けばよかった』
とならないように・・
CMのように陰からでもお子さんの野球している姿を目に焼きつけておいてください。
いつか見たくても見られなくなる日が来ますから・・
~年中夢球~
いつも読ませてもらってます。ありがとうございます。
こちらこそお読みいただきありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。