指導者と保護者が仲がいいか悪いのかのどちらがいいのかと言えば仲がいいほうがいいですよね。
ですが「仲がいい」中にも指導者と保護者には適度な距離感は必要だと思っています。
例えば…
ある父母の方が
「今晩一杯、二人で飲みにいきましょう」
と誘ってくれました。
指導者の皆さんはどうされるでしょうか?
色々なお考えがあるでしょうが・・
私は個人的に父兄の方と飲みに行くことはしません。
行くなら
「皆さんを誘っていきましょう」
そうお願いしています。
何かご相談があるのならグラウンドでお聞きしますし、個人的に飲みに行くことで不快に思う人がいたり変な疑いをもたれるのも嫌だからです。
特定の方だけと距離感が近くなることは極力なくすようにしています。
私自身、指導者として親御さんに接するときに一つだけ気をつけていることがあります。
それは「本当のことを言う」ということです。
なんだ当たり前のことじゃないかとお思いだと感じられたかもしれませんが、これが意外に難しいことだったりします。
野球の終了時間になるとたくさんの親御さんがお迎えにグラウンドにやってきます。
私自身、出来る限り今日のお子さんの様子を親御さんに伝えたいと思っているんですね。
親御さんに気に入られようとしたり・・
親御さんに元気を出してもらおうとしたりして・・
事実でないことを言ってはいけません。
がんばっていたのなら
『今日の練習はがんばっていましたよ』
とお伝えしますし
がんばっていなかったら
『今日はがんばっていませんでした』
と私はそのままの事をお伝えしています。
『がんばっていない子』を『がんばった子』
として親御さんの前で創り上げてはいけないと思いますし逆に
『がんばった子』を『がんばっていない子』
として創り上げてもいけません。
『今日は特守の厳しい練習を最後までやり遂げましたよ』
『今日は全力疾走をしなかったので注意しました』
何をがんばっていたのか・・
何をして叱られてしまったのか・・
そういう一言付け加えてあげることで親御さんは具体的なことが見えてくるのだと思います。
指導者から親御さんへの言葉は指導者が思っている以上に重く責任のある言葉です。
親御さんは「本当のこと」を知りたいと思うのです。
『本当のこと』は良いお知らせもあれば悪いお知らせもあります。
悪い知らせであれば
『今日はこういうことをしたので叱っておきました。本人も納得して反省しているので親御さんからは特に声をかけないようにしてあげてください』
『今日はこういうことがあったので家で親子でじっくり話してみてください』
などと一言添えてあげることも必要です。
「本当のこと」を言うからこそ親御さんから信頼されるのではないでしょうか。
必要以上に誉めることよりもけなすことよりも大切なことは本当のことを言うことです。
「本当のこと」を言ってくれる人はなかなかいません。
『がんばった子』を創り上げたり『がんばらなかった子』を
創り上げて親御さんに言うことは、後々、誤解を生むケースもあります。
『 本当のことを言う』
という本来当たり前の事が実は難しいのかもしれません。
~年中夢球~