「過保護」と「過干渉」という2つの言葉があります。
「過保護」という言葉は耳にしたことがあると思いますが
「過干渉」という言葉はあまり耳にしたことがないかもしれません。
過保護…
子供が求めている以上のことをしてしまうこと。
過干渉…
子供が求めていないのに親がやってしまうこと。
野球の現場にいると
「それは子供が出来ませんか?」
と思わず言いたくなる場面があります。
親御さんは良かれと思っているのでしょうが
結果的にそれが子供のためになっていないのではないか…
そう思う場面を少年野球の現場で多く 目にします。
過干渉かも?と思えるチェックリストです。
①翌日の野球の準備を親がしてしまう。
②朝、起こしてしまう。
③寒いから上を持っていきなさいと言ってしまう。
④グラウンドで脱いだグラコンを拾いにいってしまう。
⑤勝手に子供のかばんを開けて整理をしてしまう。
⑥「飲み物がなくなったら言うのよ」と言ってしまう。
⑦子供のかばんを持ってしまう。
⑧時間がないからと子供の着替えを手伝ってしまう。
⑨中学になったら○○チームに入りなさい。高校になったら○○高校に行きなさいと言う。
⑩親が目標を決めてしまう。
もちろん学年や年齢によって違いがあるかもしれません。
親は子供に責任がありますから『~しなさい』と言わなければならない時もあります。
親ですから子供に『干渉』しなければいけない時もありますが
『過干渉』になってはいけないのではないでしょうか。
どこからが過干渉になるのかという判断を親御さん自身が持たなければいけません。
朝起こすことも?
とお思いになるかもしれません。
ですが『いつか』は子供は自分自身で起きなければいけません。
社会人になっても親が起こすのでしょうか?
小学生で出来ないのであれば『中学生から』は自分自身で起きるということを約束することも必要です。
翌日の準備もそうです。
『いつから』を決めなければ翌日着ていくスーツや洋服を親が準備する『社会人』になってしまいます。
これらの10個に共通していることがあります。
それは
『先回り』です。
子供が何かをする前に親が事前に言葉や行動で『先回り』してしまっています。
では何故、先回りしてしまうのでしょうか?
それは・・
『親が我慢できない』
からなのではないでしょうか。
グラウンドでグラコンを脱ぎっぱなしにしたら監督やコーチに怒られてしまうかもしれない。
飲み物が足りなくなったらこの子は自分で言えないかもしれない。
そういう思いから子供がそうならないように親が『先回り先回り』をしてしまいがちになります。
では過干渉になってしまうと子供にどのよう影響が出てしまうのでしょうか。
それは『自立の妨げ』です。
親は子供に
『親がいなくなっても一人で生きていけるように』
そう願っているはずです。
過干渉になってしまうと子供は自ら考え行動する事が出来なくなります。
例えば③の『寒いから上を持っていきなさいと言ってしまう』
しっかり物事を考え行動している選手は自分で考えます。
明日は試合だ→
明日の天気はどうだろう→
気温は何度くらいだろう→
寒そうだからシャカを持っていこう(暑いから着替えのアンダーを2枚持っていこう)
このようにして自分で考え・・
天気予報を見て・・
自分で『判断』をすることが出来ます。
試合の日の天候や気温は体のコンディションに大きな影響を与えます。
そのことがわかっている選手はわかっているからこそ『自分で考え行動』するのです。
我々大人は『子供のために』と思って行動をしています。
ですがその行動のいくつかは『子供のために』と言いながら
実は『自らのために』行っているのかもしれません。
~年中夢球~