少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

少年野球~毎週『声を出せ!』と言えば言うほど効果は薄れていきます~

『声を出せー』

『元気出せー』

と少年野球の監督・コーチさんの声がグラウンドに響いている光景を目にします。

声を出す理由は・・見ていて気持ちがいいからではありません。

『ウチのチームは声が出ません。どうやったら声が出るチームになるでしょうか?』

こういうご相談をよくいただきます。

では何故声を出す必要があると思いますか?

と質問をすると・・

『見ていて気持ちいいから』

『元気があっていいチームだと見られるから』

そんなお答えが返ってきました。

子供に声を出す理由を説明するのに

『見ていて気持ちいいから』

『元気があっていいチームだと見られるから』

と言って子供たちが

『よし!声を出そう』

とはならないと思うのですね。

見た目が元気よく見えるからではなく、声を出す意味を伝えなければなりません。

『声を出せ』は効果が薄いかもしれません

基本、ウチのチームは『声を出せ』という言葉を指導者から子供へ、そして子供同士で言う事が禁止になっています。

気が入っていれば自然に声は出るものだという考えからなのですが・・

ただ全員が全員そうだとは限らないんですよね・・

色々な小学生がいるので。

『声出せー!』

『おー』

その時だけ言ってまたシーン。

『声出せって言ってんだろ!』

監督・コーチさんがだんだんイライラしているシーンも見かけます。

声を出す理由は・・チームが強くなるからです

声を出す理由

①自分を奮い立たせる

②仲間に叱咤激励をする

③確認の声

④緊張をほぐす

これらの4つの目的は

『声を出す=チームが強くなる』

ことなのです。

 

筋トレやダッシュの練習は目に見えて変化が出てきます。

『俺、筋肉ついたな。』

『足が速くなったな』

声を出すことでチームが強くなるという実感や実体験がない小学生は大人の『声出せー』を右から左に流してしまいます。

『勉強しろー』

と一緒ですね^^;

自分を奮い立たせたり仲間に叱咤激励の声を出せばチームの『雰囲気』が変わります。

その『雰囲気』は試合で『流れ』を持ってくることがあります。

その『流れ』で勝てる試合があります。

声を出すことは『勝つ』ことに繋がっています。

『声を出させる]のではなく『声を回させる』

フリーバッティングの練習中にライトを守っている選手が明らかに暑さにやられてヘバッていました。

あんまり声が出るタイプの選手ではありません。

というか何を声にしていいのか分からないタイプの選手です。

しばらく見ていましたが声も止まったままでした。

若い時の自分でしたら

『おい!声出せ!がんばれ!』

と間違いなく言っている場面です。

ライトの子の近くに言ってこう声をかけました。

私『今、何考えてる?』

選手『あっ・・いや・・暑いなと・・』

私『ホント・・暑いな・・で・・?』

選手『あ・・暑いけど・・がんばります。』

私『周りを見回して、お前と同じように暑そうにしているヤツいる?』

選手『えーっと・・○○がそんな感じっすかね』

私『おー本当だなあ・・じゃ声掛けてあげてよ。でも、声出せは禁止だからなー』

ライトの選手『えーっと・・』

私『暑いけどがんばるんだろ?そのまんま自分が思っていることを仲間に言えばいいんだよ』

すると・・

『おい!○○!暑いけどがんばろうぜ!』

大きな声で別の子に声を掛ける姿がありました。

それを受けた選手が

『おー!がんばろうぜい!おい!××!暑いからってバテてんなよー!』

と別の選手に声をかけます。

声が回りだします。

周りの選手に声を掛けることによって声は回り始めます。

『こーい!こーい!』

というお経のような声で誰に向かって言っているのかわからない声ではなく、こういう声の出し方を選手にはしてほしいと思っています。

勝敗を直接左右する確認の声

声でプレーが変わることがあります。

相手がバントの構えをしました。

一塁手と三塁手が黙ってダッシュをするのと声を出してダッシュをしていくのでは、バッターはどっちのほうがプレッシャーがかかるのでしょうか。

確認の声がないばかりに連携にミスが出て負けてしまう事もあります。

私は練習で確認の声を怠った時は声を出すことを禁止にする『ノーボイス』でやらせることがあります。

『確認の声』の重要性を子供たちに理解してもらうのには一番の方法だと思っています。

声の重要性を小学生に伝えることは簡単なことではありません。

『声を出せ』と毎週言えば言うほどその効果は薄れていきます。

声を出すメリットは何なのか・・

そして・・

声を出す理由は勝つためだとわかってくれた時に本当に活きた声が出るのかもしれません。

~年中夢球~

 

 

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。

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