いよいよあと数週間で夏の高校野球が始まります。
この時期は引退試合を終え、壮行会など皆さんもお忙しい時期を迎えていることでしょう。
いよいよやってくる・・
私も娘がマネージャーとして最後の夏を迎えます。
いよいよやってきてしまう・・
というのが正直な気持ちです。
私は自分の教え子の高校野球の最後の夏を出来るだけ見に行こうと思っています。
有り難い事に子供たちからも
『初戦、○月×日に決まりました!見に来てください!』
という連絡をもらいます。
夏だけでは間に合わないので春の大会から順番に見に行くようにしています。
それでも見に行けず、彼等の試合を見に行けずに夏が終わってしまうこともあります。
何故、私が教え子たちの試合を見に行くのかと言うと・・
もちろん『応援』したい気持ちがあるのは当たり前ですが、もうひとつ理由があります。
『この子たちがどう歩いてきたのかをこの目で見たい』
そう思ってグラウンドに足を運んでいます。
リトルを卒団したあと、どのような道を歩んで来たのだろうか。
去年の夏。
横浜高校の石川達也を応援に行った時に・・
グラウンドに落ちていたゴミ袋をスッとポケットに入れた彼の姿は、僕の中では、優勝した時と同じくらい嬉しい事でありました。
バントをリトル時代に何時間も何時間も付きっきりで練習していた選手が、送りバントを初球で決めた。
周りから見ればただの『送りバント』かもしれませんが、私にとっては彼からプレゼントをもらったような『贈りバント』でした。
日が暮れるまでバント練習をしていたことが自然に目に浮かび目頭が熱くなります。
リトルの時は、マウンドでいつも冷静さを欠いていた選手が、マウンドから皆に声をかける姿。
リトルの時は、周りのことを見れなかった子が、ランナーコーチャーで必死に声を出している姿。
リトルの時は、中心選手だったのに、応援団として黙々と太鼓をたたいている姿。
グラウンドに行かなければ見れない教え子の姿がそこにはあります。
彼等の汗、息遣い・・
そういうものを五感で感じとりたい。
そう思ってグラウンドに足を運びます。
そして、そういう姿を見ると中学や高校でいい指導者さんと出逢えたのだろうなあ・・
と思うんですね。
私は小学生を指導している『指導者』であり、子供に野球の始まりを始動させる『始動者』でもあります。
子供たちが、少年野球を終えると、中学野球やクラブチームへ・・
そして、中学野球から高校野球へ・・
少年野球・中学野球・高校野球の指導者の皆さんが架け橋となって、一人の選手がその架け橋を渡り、高校野球のゴールまで来れるのだと思っています。
そして・・
彼等の夏の高校野球を見に行くと『彼等の最後の試合』を見ることもあります。
指導者にとっては、教え子の高校野球の晴れ舞台を見ることはとても嬉しいものですが、最後の試合を見ることは辛いものでもあります。
試合が終わって・・
泣きながら挨拶に来る教え子にいつも『あれを言おう』『これを言おう』と思うのですが、
出てくる言葉はやっぱり
『有り難うな』
しかないんですよね。
ここまで来るのは『当たり前』のことではなかったはずですから。
小学校から続けてきた多くの子供がこの高校で一つの区切りを付けます。
その最後となってしまう試合を見れることは辛い事ですが、野球人生最後の涙を一緒に流せることは、ある意味幸せの事なのかもしれません。
この写真も去年の教え子の最後を見に行った時のものです。
そして、リトルを卒団した彼等とこうして繋がっていることが本当に嬉しくり彼等に感謝です。
『今だけの指導者』ではなく『未来まで繋がる指導者』であり続けたいと思っています。
そして高校野球を終えた後もずっと『彼等の未来』と繋がっていけたらいいなと思っています。
~年中夢球~
私も同じです。
勝っても負けても、自然と涙が出ます‼️