ある中学生からのメッセージ。
彼はいじめが原因で野球部を辞め・・
転校までしました。
最初に彼からメッセージをもらった時・・
彼のメッセージにはこんな言葉がたくさん書いてありました。
『あいつらを見返してやっりたいです』
『絶対に許さない』
『憎くて憎くてしかたありません』
中学生の彼の心は深く傷つけられていたのでしょう。
こういう言葉が出てくるのも当たり前とも言えます。
彼のお母様とも何回かお話をさせて頂きましたが・・
彼と同じような言葉が返ってきました。
転校した中学校は先生も仲間もとてもよくしてくれているそうです。
本当に転校して良かったです・・
そう彼も親御さんも話してくれました。
ですが・・
以前の学校への憎しみは消えていないことがよくわかりました。
彼から・・
公式戦の初戦で前の学校と当たることになりました。
そう連絡が来ました。
絶対に許さない・・
アイツらが憎い・・
見返してやる・・
またそういった言葉が並んでいました。
彼に文字ではなく言葉で伝えようと・・
彼に電話をしました。
『いじめを受けて・・その憎しみの感情を持つこともわかる。
勝って見返してやりたいという気持ちも当然だろう。
でも・・憎しみや恨みで野球をしてはいけない。』
そう彼に伝えました。
そして・・
『今の仲間と先生は最高なんだろ?』
と聞くと
『はい!最高です!一緒に野球をすることが楽しくて仕方ありません!』
そう答えてくれました。
『うん。もちろん勝つことも大切だけど・・君が仲間と野球を楽しそうにしている姿を見せることが彼等に一番の見返しになるんじゃないかな。今はこんなに野球を楽しんでいます・・って。』
彼はしばらく黙った後に
『そうですね・・ありがとうございます』
そう言ってくれました。
試合は・・
彼のチームが負けてしまったそうです。
前の中学の選手とすれ違う時に
『ヘタクソ』
『ザコ』
そんなことを囁かれたそうです。
そして・・
彼は僕にこう話してくれました。
『本間さん・・一番僕をいじめていたヤツがすれ違いざまに何て言ったと思います?【楽しそうに野球やってんじゃねえよ】・・って、それ聞いて僕笑っちゃったんですよ』
と・・。
続けて彼はこう言ってくれました。
『本間さんの言う通りだって。僕が楽しそうに野球やっているのが気に入らないんだろうなって。まだ憎しみは残っていますけど前にし進めそうです』と・・。
いじめを受けた者にしかわからない気持ちもあるでしょう。
でも憎しみや恨みで野球をしてはいけないと思います。
彼が前を向けたこと・・
まだ心の整理もつかないことがあるでしょうが
以前とは違う彼になって前に進んでくれるといいなあと心から願っています。
~年中夢球~