今日2月5日は・・
双子の日だそうです。
私が指導者に成り立ての頃・・
双子の選手がチームに入ってきました。
陸翔と海翔。
野球が大好きで・・
練習も一生懸命がんばる二人。
グラウンドでは意識し合っているのか・・
あまり二人で話す場面は見ませんでしたが・・
兄弟ながらお互いを認め合うライバルだったのだと思います。
二人のお母様も熱心にグラウンドに足を運んでくれる方でした。
『本間コーチ・・何で二人で同時に活躍する日ってないんでしょうかねえ・・』
お母様が僕にポツリとこう話してくれたことがあります。
試合で・・
陸翔がヒットを打てば海翔がエラー・・
海翔がファインプレーをすれば陸翔は3三振・・
家に帰ってきて・・
一人は機嫌がいいのに・・
もう一人は機嫌が悪い・・
母親としても活躍した子を誉めるのにもものすごい気を遣うんです。
お母様はそうお話してくださいました。
『結果だけを見てしまうからそうなってしまうんじゃないですか。見えないファインプレーがちゃんとありますよ』
とお母様にお話ししたのですが・・
『そうなんですけど・・なかなかうまくいかなくて・・二人が同時に活躍する日ってなかなかなくて・・』
そうお母さんは苦笑いをされていました。
続けて・・
『二人とも活躍できなくて・・二人とも機嫌が悪い日はあるんですけどね・・』
そう言ってまた笑っていました。
大事な準決勝で・・
0-0のまま最終回へ・・
陸翔のヒットでチャンスを作り2アウト3塁。
三塁ランナーにはヒットの陸翔。
バッターは海翔。
海翔はこの試合までスランプに陥り3試合ノーヒットが続いていました。
代打を出そうか悩んだのですが・・
海翔にかけてみようとそのままバッターボックスに送り出しました。
必死に海翔に声を送るベンチ。
『海翔!自信持っていけ!』
『海翔!練習通り!』
三塁ランナーの陸翔を見ると・・
ベース上からじっと海翔を見ています。
初球・・
高め球を空振り。
大きく息をして呼吸を整える海翔。
その時・・
三塁ランナーの陸翔と・・
数秒間アイコンタクトをしている時間がありました。
『ん・・こいつら何かやる気だな・・』
そう直感的に思ったのですが・・
次の球で・・
海翔はセーフティバント。
3塁から陸翔がホームに・・
2アウトからのセフティに相手は混乱し見事に成功しこの1点で勝ちを手にしました。
ハイタッチをする陸翔と海翔。
双子としてのハイタッチではなく・・
それは同じチームメイトのハイタッチだったのでしょう。
次の日・・お母さんに・・
『昨日は家に帰っても二人とも機嫌よかったんじゃないですか?』
そう聞くと・・
『それが・・お前のバントが悪いとか・・お前のスタートが悪いとか言いあってましたよ』
とお母様が言ってくれました。
そして・・続けて・・
『ただ・・そう言いながら二人ともすごい嬉しそうで・・ずっと笑顔でした』
そう話してくれました。
二人は結局・・
中学も高校も同じチームで野球人生を終えました。
双子でありながら・・
ずっとライバルであり・・
一番の理解者だったに違いありません。
~年中夢球~