弟は兄の背中をずっと追いかけていました。
大好きな兄の背中をずっと・・。
3つ違いの兄の影響を受けて弟も野球の世界に飛び込んできました。
少年野球の時も…
中学野球の時も…。
兄は甲子園にも出場したことがある高校に入学しました。
高校野球のステージで野球をしている兄の姿は弟には光り輝いて見えたでしょう。
彼が中学3年生の時…
兄は最後の夏を終えました。
彼は
『兄が果たせなかった夢を自分が実現する』
ために兄の卒業した高校を選びました。
兄と入れ代わりに弟は同じ高校のユニフォームに袖を通しました。
彼が2年生の夏の時…
彼のエラーをきっかけに延長で敗れてしまいました。
当時の3年生は彼の先輩であり・・
大好きな兄の後輩の選手でした。
自分のせいで・・
大事な先輩たちの夏を終わらせてしまった。
そして・・
兄を甲子園に連れていくという約束も果たせなかった。
彼は相当落ち込んだそうです。
しかし・・
そこから彼は立ち直り最後の1年に全てを掛けてがんばりました。
大好きな兄との約束を守るために。。
兄を甲子園に連れていくために・・。
最後の夏・・。
彼の高校はベスト4まで勝ち進みました。
甲子園まであと2つ。
相手は昨年敗れた相手と同じ高校・・
そして・・
この日は地方で大学野球をしている兄が試合を見に来てくれました。
結果は・・
残念ながら敗れてしまいました。
『兄を甲子園に連れていく』
その夢はあと2つの所で・・・・。
試合後に・・
『甲子園に連れて行けなくてごめん』
彼は兄にそう言ったそうです。
そしてその後に・・
一人で涙を流しました。
敗れた日・・
お父さ様のSNSにこう書いてありました。
『古豪から強豪校に戻してくれたと思っています』
ずっと見ていた兄の背中。
まだまだ野球を続ける二人。
高校野球は終わっても・・
弟はまだまだ大好きな兄の背中を追い続けるでしょう。
~年中夢球~