私は普段は塾の先生をしていますが・・
色々な生徒さんがいらっしゃいます。
テストでいい得点だった時・・
宿題をやって来た時・・
お友達を塾に紹介してくれた時・・
ある子の口癖。
『何くれる?』
お母さんとお話しした時に…
家で何かをする時や…
何かをした後に…
このご家庭はお金をあげることを約束していたそうです。
それがこの子にも根付いてしまったわけです。
同じような事が野球の現場にもあります。
試合でヒットを打ったら○○円あげる。
試合でホームランを打ったらゲームを買ってあげる。
こんな風に【ご褒美作戦】をしているご家庭があります。
このご褒美作戦の親の心理はどこにあるのでしょうか?
ホームランを打った子供へのご褒美・・
というよりは・・
ホームランを打たせたいという・・
自分の思いのほうが強いのではないでしょうか?
子供へのご褒美と言いながら・・
自己満足のためにご褒美作戦をされていないでしょうか?
では何故【ご褒美作戦】をするのか・・
それは・・
一見、即効性があるからです。
ガミガミ叱らなくても手っ取り早い効果が出るので・・
ついこの作戦をとるわけです。
では・・
肝心な子供はどうでしょうか?
最終回一打逆転の打席のお子さんは
『ここで打ったらお金がもらえる』
と考えて打席に立っているのでしょうか?
僕のチームに仮にそんな子がいたら・・
残念で仕方がありません。
当然の事ながら・・
『ご褒美のために』
ではなく
『チームのために』
バッターボックスに入る所ですから・・。
そして…子供自身も…
『ここで打ったらご褒美がもらえる』
と思ってバッターボックスに入っていないはずです。
試合が終わった後に…
ご褒美のことを思い出す子が殆んどではないでしょうか?
バッターボックスの時に【ご褒美】のことを考えている子が本当にいたら…
ちょっと問題です。
つまり…
ご褒美作戦って…
真の意味の効力がないと思ってます。
仮にご褒美作戦でやる気になっている選手がいたらどのような影響があるでしょうか?
ウチの選手に仲間に何かをやってもらう度にジュースを奢る子がいました。
この家庭もご褒美作戦をしているご家庭でした。
お母様が子供のことを叱っていましたが
『お母様も同じことしているからですよ』
と私は話しました。
「ご褒美がほしいから野球をがんばる」
などの生き方を身に付けさせるのは危険です。
お金やモノでのご褒美ではなく…
子どものちょっとしたがんばりを褒めてあげることや…
ほんの少しの成長を一緒に喜んであげることや…
「親にできること」
を誠実に積み重ねることが大事なはずです。
手っ取り早い効果を求めて…
間違った近道を選ぶと…
後で弊害に直面することになる可能性があります。
~年中夢球~