私が指導をしていたチームの話です。
今日は【正論】とは・・
何かというお話です。
そのチームは全員がバッティングがいい反面、ピッチャーと守りに不安があるチームでした。
試合をしていても…
打って大量点を取るのにそれ以上の失点をして敗れることが多くありました。
そんな試合が続いた試合後のミーティングのことです。
私はミーティングの最初は【選手ミーティング】にさせています。
今までだと…
【失点を減らすために守備練習を多くする】
ミーティングで彼等はこう話し合ってきました。
まあ…普通そうなりますよね。
【正論】だと思います。
その日のミーティング…
なかなか終わる様子がありません。
キャプテンの選手が私にこう言ってきました。
『やっぱり守備練習をたくさんしようという意見だったのですが…◯◯がバッティングを更に強化しようと言い出して…本間コーチもミーティングに入ってください』
バッティングを強化しようと言い出した選手は
『公式戦まであまり時間がない。今から苦手の守備をするよりバッティングで得点力を上げるべきだ』
と意見を言いました。
【正論】ではないかもしれませんがこれも一つの意見です。
そうすると数名の選手が彼の意見に同調し始めました。
『5点取られても6点取れるチームにしよう』
『守備は冬練でたっぷりやろう』
『打ち勝つチームでいこう』
結局、次の公式戦まではバッティング練習を更に増やしていきたい・・
そう全員が私に言ってきました。
『守備練習も将来のためには必要だから守備練習もやる。ただしバッティング練習の時間をさらに長くして効率よくやる』
と彼等に話しました。
そこから彼等が今までと違う部分が見られるようになってきました。
今までの試合であれば
『エラーをしないように』
という意識が強く何点取ってもひっくり返されるのではないかという気持ちだったのが・・
エラーをした選手に・・
『想定内・・想定内(笑)打って取り返すぞ!』
『エラーOK!次の打席で頼むぞ!』
試合中にこんな声が多くなってきました。
同じチームなのに・・
別のチームのようになっていました。
結局、このチームは【打ち勝つチーム】になり優勝をしました。
エラーをしないように・・
という意識だったのが・・
エラーをしても打ち勝てばいい・・
という意識に変わったのでしょう。
あの時の彼が言った 【正論】ではないと思った意見が・・
チームを優勝に導いたのです。
我々はどうしても子供に【正論】を求めてしまいがちになります。
ですが・・
【正論】などどこにもないのかもしれません。
~年中夢球~