小学生を指導させて頂いていると・・
試合中に泣いてしまう子っていませんか?
もちろん試合中に泣いてしまう事はいいことではありません。
試合中は勝ち負けがまだ決まっておらず何よりも仲間はまだ戦っています。
その彼等は泣いている選手のミスを取り返そうと戦っています。
私も若いうちはこういう選手に
『試合中に泣くな』
そう大声で怒っているコーチでした。
子供って『泣くな』と言っても泣きやまない選手が殆どでした・・
特に低学年の子はそうでした。
泣くことはメンタルよりも体質の部分も多いそうです。
もちろん強い気持ちを持つことも大切ですが自分の意志と反して涙が出てしまう事もあります。
では彼等は何故泣いてしまうのでしょうか?
1つは自信がなく自己肯定感が低い選手であることが挙げられます。
自信がなく自己肯定感が低いことが『涙』という形で出てきてしまうのです。
その時に親御さんはどうしたらいいのでしょうか?
「何、泣いてるんだ」
「みんなに迷惑だろ」
確かにこう言いたくなる気持ちもわかります。
しかし、これらの言葉を言ったとしても涙が止まることはないのではないでしょうか?
逆に
「あの子大丈夫なのかな」
と過剰に心配したりオロオロすることは逆効果になることもあります。
こういう子達は【周りの眼】を気にします。
心配されすぎたり優しい言葉を掛けると
「みんなに心配される自分」
を創り上げてしまう子がいます。
昔、私のチームにもよく試合中に泣いてしまう子がいました。
まだ勝ち負けが決まっていないのに泣かないこと。
野球は一人で戦っているのではなくみんなで戦っているスポーツであること。
野球はミスがあるスポーツなのだからミスを気にしないこと。
こういう言葉を掛けながら彼と何回か話をしましたが
ミスをした時の涙は止まることはありませんでした。
ある練習試合の前に
『今日、ミスをしても泣いていいよ。でも、泣いても勝つ努力を試合中にしなさい。泣く泣かないばっかり気にしたって仕方ない。そこが一番じゃなくて勝つように、チームのために何が出来るかを強く考えて1試合やってみよう』
そう話しました。
試合中に彼がエラー。
彼を見ると涙を流しているのがわかりましたが・・
何とか堪えようと必死になっている顔になっているのがわかりました。
いつもならば下を向く彼が半分涙声で大きな声を出しています。
試合は大事な所で彼の送りバントのお陰もあって勝つことが出来ました。
「泣いたけど勝てた」
という成功体験が彼に出来た事で彼は次第に泣くことがなくなりました。
試合中に泣いてしまう小学生のお子さんをお持ちの親御さんもたくさんいらっしゃると思います。
ですが殆どのお子さんは高学年・中学生となっていくうちに涙を流す事は減っていきます。
それは、きっとどこかで自信を持ち・・
泣く必要がないことを、頭ではなく心が理解したのだからだと思います。
皆さんのお子さんもきっと大丈夫です。
~年中夢球~