数年前の事です。
その年代が初めてメダルを取ったという事で祝勝会兼残念会を開くことになりました。
お店に着くともう選手達もほぼ全員集まっていました。
数名は僕が来たことに気が付いたのですが・・
話に夢中になっていたのか挨拶をする者は誰もいませんでした。
その後も父母の方はコーチが来ても・・
誰も挨拶をする者がいませんでした。
全員を集めて話をしようと思いましたが場も場なので次の日の日曜日の朝一番に全員を集めました。
『昨日の夜、監督やコーチが来た時に挨拶をした人?』
そう聞くと・・
子供は周りをキョロキョロ見始めました。
『周りはいい。挨拶をした人は手を挙げなさい』
そう言うと残念ながら手を挙げる者はいませんでした。
これは自分のせいです。
自分が
『挨拶をしなさい』
『大きな声で挨拶をしなさい』
という形ばかりを言ってきたので彼等はグラウンドの中だけしか出来ない選手を僕が育ててしまいました。
自分の責任です。
礼儀ばかりを教えその意味や心にある礼節の部分に触れていなかったからだと自分自身反省しました。
礼節と礼儀の話はこちらから↓
グラウンドの中だけ挨拶をしているのは
僕にきっと怒られるからとか・・
なんとなく・・
彼等はそう思っていたはずです。
挨拶の大切さや道具をきれいに並べることの大切さを彼等に話した後にこう言いました。
『町っていうのは大きなグラウンドと同じなんだよ。グラウンドでゴミは拾うよね?それは何でだ?綺麗なグラウンドでプレーをしたいしゴミがあれば怪我をしてしまうかもしれない。町のゴミも同じじゃないのか?自分の住んでいる町なんだから綺麗な町でのほうがいいしそのゴミで怪我や事故も起きてしまうかもしれない』
『挨拶だって同じじゃないか?グラウンドの外だから中だからとかではなく町全体が大きなグラウンドだと考えてみたらどうだろう?学校も同じだよ。グラウンドの中でチームのためにって君達はがんばっている。クラスの中でクラスのためにってがんばってるか?学校も町も大きなグラウンドだと思えば私生活も変わって来るんじゃないのかな』
黙っていた選手の中でキャプテンの選手が口を開きました。
『少し選手ミーティングをしてもいいですか?』
と言ってきたので了承しました。
しばらくして・・
『自分達の中でも知らず知らずグラウンドの中と外を使い分けていたように思えます。これからは町全体がグラウンドだと思って行動します』
そう彼等が言いに来てくれました。
このことを機に僕は形ばかりを教えていた指導者だと痛感させられました。
礼儀も大切だけれども礼節はもっと大切なもの・・
そう今でも子供たちに話しています。
~年中夢球~