ある知り合いの方から一人の高校球児が悩んでいるので話を聞いてくれないか?
そうご相談を受けました。
彼と話をしてみると…
●ポジションはキャッチャー
●高校2年の秋まで一度もメンバーに入ったことがない。
●最後の春の大会と夏の大会もメンバーに入れない。
●野球部を辞めて受験勉強を始めるか悩んでいる。
こんな内容でした。
私『メンバーに入れる可能性は0じゃないよね?』
彼『僕なんか…入れないと思います』
私『それは君の思い込みもあるんじゃないかな』
彼『でも…僕なんか』
私『今、部活でやりがいを感じていることってあるかな?』
彼『やりがいまでいかないですけど…ブルペンで色々なピッチャーの球を捕っているのは好きです。チームで一番ピッチャーの球を捕っていると思います』
私『それは君だからやれてることじゃないか』
そう彼に話しました。
彼は会話の中で何度も何度も
『僕なんか』
という言葉を使っていました。
『僕なんか』という発想は過去に『トラウマ』か『トラワレ』があったのかもしれません。
でも『僕だから』出来ることも必ずあるはずなんです。
彼に続けてこう言いました。
『ブルペンで一番、球数を受けている君だからこそ出来ることがたくさんあるんじゃないかな。一緒に考えてみようか』
そう言うと…
・○○はカーブの後のストレートのコントロールが悪い
・××はキャッチャーからの返球を早く返さないとイライラする
・△△はブルペンでは内角を投げられるのに試合になると投げきれない
そんな風にピッチャーの選手の特徴をスラスラ話してくれました。
彼にそのピッチャーの癖や欠点をピッチャーと話し・・
そして、正キャッチャーの選手に伝え改善していく橋渡しは『君だから』出来ることなのではないか?
そう伝えました。
数週間後・・
『今までは何となくグラウンドに行ってた気がします。でも『僕だから出来ること』を見つけてからはグラウンドに行くのが楽しみで仕方ありません。最後の夏にベンチ入り出来るかどうかはわかりませんが精一杯がんばります』
そう彼から連絡が来ました。
彼のように・・
もっと自分を誉めていい選手がいます。
もっと自己肯定感を高めていい選手がいます。
もっと自分を好きになっていい選手がいます。
ことがどの選手にも必ずあるはずです。
それを見つけられない選手に大人が見つけてあげることも時には必要なのではないでしょうか?
~年中夢球 photp kfp_c324~