最近では【フルスイング!】という声がベンチの中からよく聞こえて来ます。
私の少年野球時代は【コンパクトに振れ】と言われることが多かったのでこれも時代の流れなのかもしれません。
しかし・・
このフルスイングという言葉は抽象的な言葉でもあります。
ただ力まかせに振っている子。
腕だけで振っている子。
これもフルスイングと言えばフルスイングになってしまいます。
僕の言うフルスイングというのは・・
正しい振り方をするフルスイングであり・・
フルスイングをする気持ちがある【振る】スイングだと思っています。
フルスイングというのは実はすごく難しいものなのです。
野球には相手がいます。
ピッチャーは当然バッターにフルスイングさせないようにコースを狙ったり変化球を投げたりしてくるわけですから・・
では技術的なフルスイングとはどういうことなのでしょうか?
色々な考え方があると思いますが・・
私のフルスイングというのは体全体のパワーを使う事だと思っています。
フルスイングというと手の方がクローズアップされがちですが下半身の力も全て使った振りがフルスイングです。
そのためにティーで低めのボールばかりを投げて下半身を使わせて
フルスイングがどういうものかを体で子供たちに実感してもらっています。
T台の棒の部分を30センチ~50センチに切って打つのもお勧めします。(かなり疲れますが(笑))
ロングティーもフルスイングを体で覚えるにはいい練習ですね。
体をどういう風に使ったらボールが飛ぶのかを考えながら打つのもフルスイングに繋がっていきます。
腕だけでなくバッティングに必要な全てのパワーを使ってバットを振る。
フルスイングというよりフル【パワー】スイングと言った方がいいかもしれません。
技術的にフルスイングができるようになっても・・
心の問題でフルスイングが出来ない子もいます。
【振る】スイングが出来ない子たちです。
三振が怖い。
大振りだと怒られそう。
僕のチームにも以前こういう選手がいました。
技術的にはフルスイングが出来るのに気持ちでフルスイングが出来ない。
振る勇気がない子で見逃し三振がともかく多い子でした。
『見逃し三振も空振り三振も「三振」だぞ。でも三振って【三回振る】と書いて三振なんだから練習のようにフルパワースイングで三回振ってきてごらん。結果は気にしなくていいから』
3打席目に彼は人生初のホームランを打ちました。
その後の彼は【振るスイング】がしっかり出来る子に変わっていきました。
局面によってはフルスイングが要求されない時もあります。
大きい当たりがいらない場面もあります。
いわゆる【コンパクトに打つ場面】です。
ですが僕はコンパクトに打つ場面もフルスイングで打てと言っています。
下半身の使い方は一緒で振りが小さくなるだけだと伝えています。
フルスイングをする技術と振るスイングをする気持ちの両方を兼ね備えた時に
本当のフルパワースイングができるのではないでしょうか?
~年中夢球~