「今日、野球楽しかった?」
なんとなくこの質問をお子さんにしてはいないでしょうか?
野球をやり始めたばかりだったり、お子さんが野球に行く際になんとなく元気がないと感じた時に、お子さんが野球から帰ってきて、思わず言いたくなってしまう言葉ですよね。
ですが、よく考えてみると、この質問の答えは一つの選択肢しかありません。
「野球楽しかった?」
と聞かれれば
「楽しかった」
と答えてしまう子供がほとんどでしょう。
中には「楽しくなかった」と言えるお子さんもいらっしゃるでしょうが…
「今日野球、楽しかった?」
と聞いてしまうのは「楽しかった」と答えてほしい親の気持ちがあるのではないでしょうか?
そして、敏感な子供さんは、そんな親御さんの気持ちや言葉遣いや表情から察して
「楽しかった」
としか言わざる得ない時があるかもしれません。
「今日、野球楽しかった?」
と聞いて「楽しかった」とか「うん」と同意を求める誘導ではなく、子供の口から色々なことを聞くことが目的なのではないでしょうか?
「今日野球楽しかった?」
の質問では「楽しかった」「うん」という答えが多くなり、その答えを聴いて親が安心したいのかもしれません。
子供に『質問』することは良い事ですが『尋問』になってはいけません。
抽象的な答え方は抽象的な問いだからかもしれません
年齢が経つと子供は更に口数が少なくなり自分自身のことを言わなくなってきます。
「今日の野球どうだった?」
と聞いても
「別に」
「微妙」
「まあまあ」
こんな抽象的な答えが多くなってきます。
その抽象的な答えに今度は親御さんがイライラしてくるケースが出てきます。
「何が微妙なの?」
「別にじゃわからないじゃない!」
でも・・
よく考えてみてください。
「今日、野球どうだった?」
の問いのほうが抽象的じゃありませんか?
「今日、野球どうだった?」ではなく
「今日はバッティングどうだった?」と聞けば
「バッティングはイマイチだったけど守備は良かったよ」
という答えが返ってくるかもしれません。
「今日は監督・コーチと何か話した?」と聞けば
何か話してくれるかもしれません。
「〇〇君はどうだったー?」
自分以外の仲間のことだったらよく話してくれるかもしれません。
それでも子供が話したがらないのならば・・
そのままにしておくことも必要です。
我々大人が話したくないことがあるように子供にもそういう時があるはずですから。
聞かない勇気も必要です。
私が言いたいことは、子供に何かを問いかけるときに「親がこういう答えを返してほしい」という質問や聞き方があるのかもしれないということです。
特に真面目な子は親の顔色や表情から察します。
親が望んでいる答えがわかっています。
楽しくなかったのに「楽しかった」と毎週言わなければいけないことが、心にどんどん溜まっていき、いつの日か親でもどうしていいかわからないくらい溢れ出していきます。
意図しない答えを受け止めることが前提なのかもしれません。
「今日の野球楽しかった?」
「うん」
「楽しかった?」
の他にも
「わかった?」
「大丈夫だよね?」
も同じかもしれません。
そのやりとりは大人が誘導しているのかもしれません。
そして質問をしたら子供が答えるまで待っててあげてください。
『間』をきちんと作ってあげて下さい。
子供が考えているのに
『どうなのよ!』
『忙しいんだから早く答えてよ!』
待てない大人が多すぎます。
間が抜けてしまうと
『間抜け』になってしまいますから・・
~年中夢球~