ある元プロ野球選手が
「もしかの理論」という言葉を使われていました。
「も」と「しか」に分けて使うのですが・・
始めて1軍に定着できた年の翌年の元旦のインタビューで・・
『昨年はヒットを150本以上も打った』
とインタビュアーに言われた彼は
『150本しか打てなかったという感覚でした』
と答えていました。
868本のホームランを打った世界の王選手は・・
868本「しか」ホームランを打てなかったと言ってバットを置きました。
ソフトボールの上野選手は・・
「今日も満足する練習が出来なかった」と思い1日が終わるそうです。
「打撃の天才」と言われた広島の前田選手は・・
ヒットを打った後でも一塁ベース上で首をかしげるシーンが多くありました。
結局…
本人の中で満足をすることがないのでしょうね。
我々からすると868本「も」ホームランを打ったと思うのですが・・
王選手からしてみれば868本「しか」という考え方になるわけです。
「も」なのか「しか」なのか…
これは子供の素振りにも同じことがいえます。
300回「も」振ったと考えるのか・・
300回「しか」振らなかったと考えるのか…
もうダメだと考える自分とまだまだ振れると考える自分がいる。
まだまだ振れるという自分が勝ってバットを振り続ける。
もうダメだと思った時からがんばることに大きな意味があると思うのです。
そういう紙一重の気持ちが後々に大きな差を生むはずです。
がんばった「つもり」では積もりません。
がんばったつもりの素振りは『すぶり』ではなく素振り『そぶり』です。
毎日毎日、真剣にこれでもかと思って練習をしていても・・
エラーをしてしまうし・・
ここぞの打席で打てないこともあります。
だからこそ、毎日の練習に妥協をせずに、「も」ではなく「しか」という考えが必要なのだと思うのです。
努力をせずに結果が出なければ後悔しか残りません。
努力をして結果が出なくても後悔は残ってしまうかもしれません。
ですが・・
そこにはこれからの野球人生や人生に役立つ
「経験」
という貴重なものを手に入れられるはずです。
もしか理論とは『も』と『しか』に分けて考えるものですが・・
野球が終わった時に
『あの時にもっとがんばっていたら・・『もしか』したら・・』
そんな後悔をするようなく子供に努力の大切さを教えていきたいと思います。
~年中夢球~