AコーチはAコーチのバッティング理論があり、BコーチにはBコーチのバッティング理論があります。
今の時代は、様々なバッティング理論があります。
それぞれのコーチは自分のバッティング理論で指導したいと思うのが当たり前ですよね。
しかし、それぞれのバッティング理論を選手に指導すると、いわゆる子供が迷い始めるという状態になります。
高校生になると、その指導の中から自分で取捨選択をすることが出来ますが小学生にはなかなか難しいことでしょう。
各々が良かれと思っていても子供を混乱させる場面が出てきてしまいます。
例え、同じように伝えたとしても、微妙な言葉の表現や言葉の言い回しで受け取る側の子供には全く別のものに感じてしまうことがあります。
ではこれをどのように我々指導者は改善したらいいのでしょうか?
私のチームでは子供に直接バッティングを指導しているのは私一人です。
ですが、他のコーチも間接的に指導に当たってもらっています。
どういうことかというと…
A君のバッティングを見て私以外のコーチが、こうしたほうがいいのにと思ったとします。
この時にA君に直接指導をしてしまうと、所謂、子供が混乱する時が出てきます。
フリーバッティングの時だけでなく、ティーなどの時でも、何気ない一言でも、子供は、混乱してしまいます。
真面目な選手は特にです。
その時に、子供に掛けたい一言を、ぐっとおさえることが大切です。
子供に、直接、声を掛ける指導者は一人でいいのだと思います。
私のチームでは、私以外のコーチがA君のバッティングで気付いたことがあった場合は、直接指導をせずに、私の所に話が来ます。
「A君のバッティングのここをこうしたほうがいいと思うのですが…」
そのコーチと話し合って、それを取り入れるかどうかの判断を私が決めています。
ですから、コーチの方々にも、意見はどんどん言ってくれとお願いしています。
私自身も、「なるほどな」と気付かされ、指導に取り入れることも数多くあります。
まとめると…
私&Aコーチ➡A君に直接指導
ではなく、
Aコーチ➡私➡A君に直接指導といった感じです。
こう考えると、このような指導をするのに絶対に必要な条件があります。
「指導者間の信頼」
です。
「俺が指導したから打てた」
とか
「あのコーチの指導じゃ打てない」
という言葉を耳にしますが、そのようなチームではこのような指導体制は難しいでしょう。
誰のお陰で打てたはどうでもいいのです。
指導者みんなが、一人一人の子供のバッティングのことを真剣に考え、みんなで意見を出し合う。
指導者みんなの「想い」を、一人の指導者が子供に「言葉」として伝える。
至ってシンプルなもののはずです。
言葉を伝える指導者に「聴く耳」も必要です。
自分の「手柄」などではなく、子供のために何がベストなのかを指導者は考えなければいけません。
~年中夢球~