プロ野球も開幕し盛り上がっていますね。
私が一番注目したプレーがあります。
ジャイアンツの阿倍選手。
今年は岡本選手の台頭でベンチを温める機会が多くなっています。
開幕2戦目だったでしょうか…
チャンスで代打で阿倍選手が登場しました。
結果を出したい…
自分が打ってランナーを返したい…
本来ならそう思うのではないでしょうか?
その阿倍選手の打席は…
フォアボールでした。
フォアボールを選んだ阿倍選手は…
小さくですが…
ガッツポーズをとったのです。
自分の結果よりチーム愛が強かったのでしょう。
我々の少年野球はどうでしょうか?
私自身は
『フォアボールを狙え』
と指示をしたことはありません。
状況に応じて『待て』のサインを出すことはありますが。
私が指導してきたなかで…
『フォアボール』を選んでガッツポーズをした選手が4人います。
そしてこの4人がガッツポーズをした試合はどれも公式戦の大切な試合ばかりでした。
清宮選手と戦った関東大会の準決勝の試合でフォアボールでガッツポーズをした選手も含まれています。
彼等もきっと打ちたかったはずなんです。
4人ともどちらかというとイケイケのタイプでしたから・・
それでも塁に出ることを考え・・
チームのことを考えてくれていたからこそのあのガッツポーズだったのだと思います。
面白いことにこの4人はリトルを卒団した後、クラブチームや高校でキャプテンを務めています。
チーム愛があるからこそ主将に選ばれたのかもしれません。
この4人とは違った意味で印象に残っている子がいます。
ある試合で…
スタメンの子が公式戦の初回にデッドボール。
当時のチームは10人しかいなかったので残りの一人の選手が試合に出ることになりました。
2打席ともバットに一度も当たることなく三振を喫してしまった彼。
試合も2点負けている状態で最終回へ・・
ツーアウト1塁で彼に打順が回ってきました。
打席に入る前に不安そうな顔をしていた彼に
『結果なんて気にしなくていいからベルトより高めの球だけ狙っていこう』
そう話しました。
しかし・・
初球・・
彼はセーフティバントの格好をしました。
ん?
と思ったのですが・・
次の投球の時は・・
打席では低く構えたり・・
バッターボックスの中で動いてみたり・・
自分にこのピッチャーを打つことが難しいと判断したのでしょう。
それでもなんとか塁に出たい。
彼のその姿を見ると・・
なんだか涙が出てきそうになったのを覚えています。
試合は残念ながら負けてしまいましたが・・
彼はフォアボールを選び・・
小さくガッツポーズをしました。
小学生ですから・・
打つ喜びが一番だと思っています。
ですから、フォアボールを狙えと
選手には言いませんが・・
子供たちがチームのために勝ち取ったフォアボールもあります。
ナイスフォアボールもあると思うのです。
フォアボール一つにも・・
野球にはドラマがあります。
~年中夢球~