「形」ではなく「心」
このブログでも何回かそうお話をさせていただいています。
カバンが綺麗に一つに揃っている。
スパイクが綺麗に一つに揃っている。
ヘルメットが綺麗に一つに揃っている。
挨拶が綺麗に一つに揃っている。
ランニングの時の足並みが一つに揃っている。
『見た目がきれいだから』
『見た人が気持ち良くなるから』
それも大切なことかもしれませんが
それは『目的』ではありません。
野球に限らず団体競技というスポーツは
『チーム』が一つにならなければいけません。
カバン一つ綺麗に揃えられないチームがプレーで一つになれるのか?
そう選手に話しています。
『心を揃えなさい』
そう選手に話しています。
ある時・・
綺麗に並ばれていたスパイクの一足が乱れていました。
皆、自分のスパイクは綺麗に並べますがその乱れている一足が視界に入らないのか・・
もしくは視界に入っているが直そうとしないのか・・
そう思って見ていました。
誰も気が付かないのかと・・
しばらく見ていると・・
ある選手がそれに気付いた様子でした。
A選手としておきます。
『おっ・・気付いたな』
と思って見ていると
『B!ちょっと!こっち来て!スパイクちゃんと並べろよ!』
とA選手がその乱れたスパイクのB選手に声を掛けました。
『あ・・そうきたか』
と苦笑いしていたのですが・・
B選手はいかにも面倒くさそうな顔で戻って来てスパイクの乱れを直していきました。
こういう場面はきっとこれからもあるだろうなと思い全員を呼びました。
まずはこのスパイクを直したA選手は『目配り』が出来ていた証拠です。
『今、B選手のスパイクが一つだけ乱れてたのをお前たちは気付かなかったけどA選手が気が付いた。目配りが出来ていた証拠。目配りが出来たら次は心配り・・』
B選手を呼んで自分で直させるのも一つの方法でしょう。
それは、それでありだと告げた上で子供たちにこう続けました。
『A選手がB選手のスパイクの乱れている事に気が付いて直してあげたらどうだったと思う?乱れていたのは事実だからそれはB選手に伝えてあげる。そうしたらさ・・BはA選手に何て言う?』
と聞くとB選手は
『ありがとうと言います』
『そうだよな。でさ・・仮にお前が誰か違う人がスパイク乱れていたらどうする?』
『Aがしてくれたように自分も直してあげます』
こう答えてくれました。
何が正解という訳ではありませんが
こうしたほうがするほうは『心配り』が・・
してもらったほうは『してくれた感謝の気持ち』
を持つことが出来るような気がします。
そして・・
『有り難う』や『目配り・心配り』がチームに伝染していく。
かばんや道具の乱れを指導者が指摘し直させることは簡単です。
ですが、私は出来るだけそういう『気付き』も子供の手で・・
そう思っています。
~年中夢球~