少年野球~高校野球 野球少年の親と指導者のブログ

少年野球~言葉で「はい」と返事し心で「NO」と言う子供たち~

「いいか!わかったな!」

という監督・コーチの声に

「はい!」

と元気く大きな答える選手達。

それは周りから見ると元気のいい明るいチームに見えることでしょう。

元気のいい大きな返事は周りで見ている人間を温かい気持ちにします。

「はい」と言う子供達は・・

ですが・・

彼等はこちらが話したことを理解して

「はい」

と言っているのでしょうか?

今、若い会社員が上司の言っていることを理解していないのに返事をすることが多くなっているそうです。

返事はするけど・・

理解していない。

実際に聞いてみると

『すみません。わかりません』

という事になったりするようです。

言っていることがわからないけど・・

返事をしておけばいいだろうというタイプとわからないけど聞けないというタイプがいます。

わからないことには『はい』と言わなくていい

『はい』と言わせなければいけない場面があることも確かです。

ですが・・

私は技術指導や戦略面の話を子供たちにする時にわかっていないなら『はい』と言わないようにと話しています。

わからないことをわからないと言う事は決して恥ずかしい事ではなくわからないことをわかったということのほうが後々大変なことになるよ・・

そう話しています。

はいとしか答えさせない聞き方

私は普段は子供に勉強を教えている仕事をしています。

説明をした後に

『わかった?』

と子供に聞くと

頷いたり・・

『わかった』

『なんとなくわかった』

そういう答えが返って来ます。

選択肢が『わかったか?』

と聞けば

答えの選択肢は

『わかった』

という一つしかありません。

『どうだ?わかる?わからない?』

と子供に聞くと

『わからない』

と答える子が増えてきます。

選択肢を聞き手が一つではなく

二つ与えているからです。

「わからない」

と言える雰囲気や聞き方が子供の答え方を変えるかもしれませんね。

心ではNOと言っている子ども

監督、コーチや親のことに納得していないのに「はい」と答える子がいます。

言葉では「はい」と答え…

心で「NO」と答える子供たちです。

小学生ではなく子供から大人に変わりつつある中学生に多い気がします。

先述したように「はい」と言わせなければいけないこともあるのは事実です。

言葉では「はい」と言っているのに心では納得していないのだろう…

私が話していてもそういう子供は顔に出ています。

子供がある程度納得してほしいのでこちらの意図を話します。

はいを言わせることが目的ではない

「はい」と言わせることが目的ではない時があると思うんですね。

子供が納得していないのに「はい」と言わせることに夢中になってしまい

「はい」と言わせたことに満足してしまう…

それは子供に「不信感」を抱かせ、やがて「指導者や親と子供のズレ」となり、そのズレが広がっていきます。

言葉では「はい」と言っているからあの選手とは信頼関係が出来ていると思っていたのに子供からすると信頼関係どころか「不信感」しか持っていないため「あのコーチの言っていることが理解できない」とか「あのコーチが嫌だ」とかそういう話に発展していくことがあります。

心でNOと言っている選手にこそ我々大人は耳を傾けなければいけないのかもしれません。

はい」の3つの意味

最後に「はい」の語源は3つあるそうです。

「拝」

《拝》を意識する返事→

感謝・・尊敬・・褒めてもらった時・・

感謝を込めて、「拝聴」させて頂きますという意味

「拝」の語意を念頭に置き、「はい」と答える。

「配」

《配》を意識する返事→

目配り、気配り、心配り、を払うとき
「言われることに充分気配りします」の「配」を意識し
「はい」と自分に言い聞かせるように言う。
同時に「相手への気配り」も忘れない。

「背」

《背》を意識する返事→

指示、命令、指令、間違いなどを指摘されたとき
私は責任を「背負い」間違いなく行いますと言う心を意識し
相手の目を見ながらシッカリ力強く「背」と返事する。

我々大人は子供にどんな「はい」を求めているのでしょうか?

~年中夢球 photo buchiko~

この記事を書いた人
野球少年を持つ親御さんと指導者の皆様へ元気を送り続ける[年中夢球]です。 神奈川野球雑誌『ОNEDREAM』に連載中。
コメント (2)
  1. 頑張ろう。 より:

    練習や試合での「声出し」の意味や保護者の役割りに悩んでいたところ、こちらに出逢い、大変共感するところがあり、それ以来楽しみに読ませていただいております。

    我が子はコーチの助言に納得が行かないと返事をしないと言う問題児です。
    一方で、コーチの助言で苦手が克服された後は非常に素直です。
    そのため、具体的に助言をくださるコーチと、出来ない事実だけを指摘するコーチへの態度が目に見えて違い…。
    我が子が信頼を置いていないコーチはそれを察して「返事もしない○○には、何も教えてやらない」と言っているようで。
    確かにそのコーチのお子さんは挨拶や返事が素晴らしいです。でも…大人の目を意識してるだけにも思えてしまい。
    一長一短ですが、コーチに嫌われても困ります。
    まずはとにかく返事をさせないと 、と焦っていますが「わかりません!」と言える雰囲気のあるチーム、勇気と明るさを持った我が子になって欲しいものです。

  2. 佐藤 より:

    なんて素晴らしい文章でしょう。
    いつもこの年中夢球さんのを
    読んでいます。言葉ひとつひとつが
    心に染みます。こんな方がチームの監督だったら。と何度悔いたことでしょうか。小4から野球を始めた息子は
    真面目で間違ったことが嫌い。同級生四人中1人は違う小学校のためか、はつけにされてしまい、でも試合にはちゃんとしてくらるんだろうと期待をして
    のぞみましたが、声かけても
    はぁ??か無視
    副キャプテンの息子の話など全く聞きません。小学校の最後の公式戦の試合中にさえ、大丈夫だよーいいよー、落ち着いて、楽に!キャッチャーをしてたのでみんなに声かけてました。反れでも中には無視する子供もいます。
    チームは力合わせひとつになって勝利を勝ち取るんだ❗️って先輩のしあいをみて学んだことです。自分もそうしたいと思い頑張ってきたものの
    家督と親たちは見て見ぬふり
    監督は怒鳴るばかり
    全く誉めることを知らない方です。
    あからさまに監督的にすきな子、嫌いな子あるようでした。
    それは親が監督と仲良し(飲みにケーションってのが多いからでしょうね。今中学に入りやっぱり野球がしたいってことで野球部に入ったものの二年生1人一年生5人猫の額ほどのところで練習はしてるようですがもっと延びる子達なのに
    今週の土日は休み。あっても四時間位だけ。中学では別の子がキャッチャーをしてるのですが練習試合では
    二回になるともう足ががくがく疲れがくるようです。
    勉強もおろそかになり
    次の点数次第ては部活やめさせやうかとかんがえてます。
    どうしたらよいのでしょか。。

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