練習中にエラーをしたA君がいます。
『そんな球エラーしてんじゃねえよ!』
コーチから厳しい声が飛びます。
同じようにB君もエラー。
…
だけどB君はコーチに怒られることなしでした。
次も同じ・・
A君は怒られるけどB君は怒られません。
次の順番でも同じようなことが・・
『あらっ・・ウチの子ばっかり怒られてるかも』
A君の親御さんはそう考えることもあるかもしれません。
親御さんは
『エラーをした』
という場面を見て全てを判断しがちになってしまいますが
指導者の方々は『エラーの仕方』を見ていたのかもしれません。
ひょっとするとA君は練習態度が悪かったのかもしれません。
グラウンドの外にいる親御さんには見えずらいものです。
『ウチの子だけ怒られる』
のは
『ウチの子が怒られる原因』があるのかもしれません。
逆に指導者側から見るとどうでしょう。
『エラーをした』
という事実であればA君だけでなくB君も叱られなければいけません。
指導者の視線(アイライン)がどこにあるかということが大切です。
そして・・それが子供に伝わっているかどうか・・
『エラーをした』というアイラインも時には必要なのかもしれません。
ですが、このアイラインでは
野球が上手な子はあまり怒られることがなくなり
逆に野球技術がまだ未熟な子は常に怒られることになります。
小学生の高学年ぐらいになってくると
怒られないことに優越感を持つ子が出てくる場合があります。
『俺は上手いから監督・コーチに怒られない』
と平然と言ってくる子も出てきたりします。
こうなると子供関係もギクシャクしてきます。
では・・我々指導者の叱る『アイライン』はどこにあるべきなのでしょうか。
出来ないからではなく・・
やらないから。
やれないとやらないも違います。
言われたことを出来ないのではなく
やろうとしない時。
子供の多くは『出来ないこと』を先に考えてしまいます。
『何度言ってもお前は出来ないんだんな』
『何度やっても出来ないんだな』
そんな言葉を掛ければ子供の多くはマイナス思考に陥っていきます。
『出来る出来ないじゃない。やるかやらないかだ』
私は選手によくそう言います。
もちろん私自身も『出来る』ようになることを望んでいます。
でもそれは今この場じゃなくていい。
でも『今』やることによってそれが少しずつ積み重なって『出来る』に変わっていくはずです。
もちろん時として『人』として叱るケースが違う事もあります。
主将の選手と入団したばかりの選手では立場が違います。
ですが結局は一緒です。
主将として『やるべきことをやらなかった』
新入団の選手として『やるべきことをやらなかった』
立場こそ違いますが叱るアイラインは一緒です。
『出来る・出来ない』
だけで誉めたり叱ったりしてしまえば
いつも同じような子が誉められ
いつも同じような子が叱られているのかもしれません。
出来ないけど一生懸命やっている子を怒っているのかもしれません。
一生懸命やっていないのに出来る子を誉めているのかもしれません。
~年中夢球~