高校野球の夏のマウンドに立つために彼は人一倍努力してきました。
誰よりも走り・・
誰よりも努力してきました。
そして・・
夏の大会で付けた背番号はエースナンバーの『1』
彼はマウンドという険しい山に
迎えた1回戦。
1回表の攻撃で3番でエースの彼は、センター前ヒットで
4番の打席で盗塁。
2塁ベース上でうずくまる彼。
スライディングの時に左肩を脱臼しそのまま救急車で運ば
マウンドに立つことなく病院へ・・
あのマウンドに立ちたい。
マウンドに立つためにがんばってきた日々。
彼は6回に病院からグラウンドへ帰って来ました。
左腕を吊って‥
チームは劣勢。
ここで敗退してしまうと彼は一度もマウンドに立つ事がなく夏が終わってしまいます。
彼をあのマウンドに立たせるという仲間の想い。
あの『マウンド』という険しい山に登るために人一倍走りこみ、人一倍努力してきたことを知っている仲間。
『必ず彼をマウンドに立たせる』
その想いが届き逆転で勝利しました。
2回戦・・・
その仲間の想いに必死に答えようと彼は2回戦のマウンド
やっと立つことが出来たマウンドという山。
仲間が立たせてくれた山。
その初球‥
再度左肩を脱臼。
彼の夏はこの一球で終わってしまいました。
辛い辛い一球だったかもしれません。
でも、もう一度彼をマウンドに上げようという仲間の想い。
その仲間に応えようとした彼の想い。
たった一球だったかもしれませんが、その一球は、みんな
たった一球で終わったことは悔しくて悔しくて仕方ないでしょう。
ですが、その一球のためにがんばってきた高校3年間は否定しないでほしい。
君ががんばったことは何も変わらないし、
君のがんばりは仲間が一番知っているはずだから。
一球一打に懸けて・・
今日もたくさんの選手が高校野球生活に終わりを告げています。
あの一球が・・
あの一打席が・・
悔しくて悔しくて仕方ない選手もいるでしょう。
それぞれの『終わり方』がありますが・・
今までがんばってきた自分を否定しないでほしい。
~年中夢球~
昨年の息子と、よく似た出来事。驚きました。夏の大会直前に2度の左肩の脱臼。
息子も、必死に治療して、最後の大会、たった3イニングでしたがキャッチャーのマスクをかぶって試合にでれました。最後は笑顔で終われました。