小学生にバントは必要かという議論が時々出てきます。
小学生のうちは、バントなんかいらないホームランを狙って野球を楽しむのだという考えがある一方で、バントを使い一点をとることの野球の奥深さを知るべきだという考えもあります。
チームの方針ですから、どちらがいいとか悪いではないと思います。
私は以前にも話しましたがチームの目標は「勝つ」ことでいいと思っています。
ただし、それは、大人が勝ちたいのではなく、子供が勝ちたいという目標を持っていなければいけません。
私は試合でバントを使いますが、チームさんによっては、勝つために、バントを使わないというチームさんもあるでしょう。
私は野球は4コマのスゴロクをいかに一つ一つ進めていくか…ということを子供に話しています。
今、高校2年生の選手に毎週、付きっきりで、何時間もバントの練習をしたことがありました。
送りバント、プッシュ、セフティ…
真夏の太陽を浴びながら二人で何時間も何時間も…
最初は両足を揃えてバント練習をしていたのですが出来るようになってくると…
「両足揃えて構えると相手はバスターがないとわかるぞ!両足揃えないでいこうかー!」
サードへのセフティが出来るようになってくると…
「三塁手に比べると一塁手のチャージが甘いチームが多いから一塁方向のプッシュも練習するかー?」
こんなことを毎週繰り返していたある日、彼が言いました。
「いやあ、バントは奥深いっす!めっちゃ楽しいっすよ!」
少年野球にバントは必要ない。
という考えもあると思いますが、バントを成功することに喜びを感じる選手もいると思うのです。
ただし、バントをするチームさんであれば、そのバントがいかにチームのためになったのかを指導者が認めてあげなければなりませんね。
だからこそ、彼のバントは「犠牲バント」ではなく、チームのためにしてくれた「貢献バント」だと僕は他の選手に話しています。
ですが、僕が言わなくても周りの仲間のほうがよっぽどわかってるんですよね。
彼がどれだけバント練習をしていたのか知ってますから。
彼がバントを成功した時は、ヒットを打った時と同じくらいベンチは盛り上がっていました。
冒頭にも書きましたように小学生にバントをさせるかさせないかはチームの考え方によって違い、どちらがいい悪いではないと思っています。
それがチームの方針ですから。
ただ…
「子供がやりたくもないバントを…」とか・・
「バントのサインを出された子供の気持ちを考えると…」・・
みたいなことを、時々、耳にしますが、それも指導者の教え方、伝え方一つなのではないでしょうか?
こんな言い方をされた子供がバントに喜びを感じられるでしょうか。
こんな言い方をされたのでは「貢献バント」ではなく正に「犠牲バント」になってしまいます。
そして…
それは、チームのための犠牲ではなく、心ない指導者の「犠牲」になっているのではないでしょうか。~年中夢球~
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