プロに行きます…
こう言い続けている一人の少年・・
いや、青年の話です。
彼と初めて出逢ったのは彼が小学5年生の時・・
彼は他リーグから移籍してウチのチームにやってきました。
実際、彼と同じユニフォームを着たのはたった2年。
ですが、ウマが合うというのでしょうか・・
大学生になった彼と今でもずっと仲良くさせてもらっています。
彼の名前は『石川達也』
達也は、昨夏、横浜高校で神奈川を制し、楽天ゴールデンイーグルスにドラフト1位で入団した藤平選手とダブルエースと呼ばれ甲子園の地を踏みました。
今から6年前・・
リトルを卒団する時に彼に尋ねました。
『達也、これからどうすんだ?』
『プロに行きます』 と答える彼。
『そうじゃねえよ。中学はどのチームに入るのかを聞いたんだよ』と私。
『あーそういう事っすか!○○シニアに行きます!』
今から3年前・・
シニアを引退しグラウンドに顔を出してくれた達也に尋ねました。
『達也、これからどうすんだ?』
『プロに行きます』 と答える彼。
『そうじゃねえよ。高校はどこ行くのかを聞いたんだよ』と私。
『あーそういう事っすか!横浜高校に行きます!』
3年前と全く同じ会話がありました。
彼にとってプロ野球選手になることは『目標』ではなく『目的』だったのでしょう。
『プロになる』・・いつも頭の中にあった二文字。
高校3年になっても彼はよく連絡をくれてこう言っていました。
『プロに行きます』と・・
達也が甲子園行きを決めた時・・
歓喜の中心にいるマウンドの彼を見ながら僕は人目を憚らず大泣きをしました。
そして・・甲子園でのあの履正社戦。
彼の甲子園は49球で終わりました。
8月・・ 達也に会いました。
『達也、これからどうすんだ?』
節目節目にいつも彼に聞いてきた質問です。
『本間さん、俺、大学行きます』
あれっ・・プロは?と一瞬思った時・・
『甲子園に行って自分はまだまだなことがわかりました。大学に行って4年後にプロ目指します』
甲子園は色々なことを教えてくれる所なんですね。
大学進学を決めた後に彼に出てきた言葉は・・
やっぱり『プロ』という言葉でした。
その彼は法政大学に進みました。
先日・・
新人戦で初登板。
実は夏の大会の前から肩を痛めていました。
あの甲子園からずっとノースローで投球を再開したのは3月から。
それでも初登板初勝利。
そして日刊スポーツさんの記事にこう書いてありました。
「4年後にドラフト1位でプロに行きます!」
やっぱり、お前の目の先にはプロがしっかり見えてるんだな。
そして、こういう子が本当にプロに行くんだろうなと思います。
その後に、お祝いLINEを入れときました。
これからもずっと応援しています。
そして・・
4年後・・
達也がプロに行った時に達也に聞いてみたいことがあるんですよね。
『達也、これからどうすんだ?』と・・~年中夢球~