野球だけでなくスポーツというのは「考える」ことによって面白さを増すものだと思うんですね。
そして、その考えることが「技術」の一つでもあると思っています。
相手チームの力、自分のタイプ、イニング、点差…
ここで自分が何をするのか、何を必要とされているのかを考えることによって、向上心や自立が養われていくのだと思うのです。
そして、何よりも野球が奥深くなり、真の意味で野球が楽しくなっていく。
野球が楽しいというのが一歩進んだ楽しさに変わっていくと思うのです。
ただ、考える野球をするためには、練習で様々なパターンを想定し、指導をしながら、ヒント付けをしなければいけません。何もないところから、小学生に「自分たちで考えろ」というのは無理があります。
私のチームでは、試合形式の練習や練習試合で「考えろ」というサインがあります。
これ、かなり面白いです(^_^;)
子供の野球観だったり、性格がわかったりします。
練習試合のヒトコマです。
一点負けている場面、ノーアウト一塁で「考えろ」のサイン。
初球、バントの構えをして、2球目にバントを決めました。
この後に僕は必ず理由を聞くようにしています。
私「おーい、なんでバントしたの?」
選手「回数も終盤なのでまずは同点にと思いました」
私「おーなるほどな!初球にバントの構えをして見逃して2球目にしたのは何か意味あるのか?」
選手「様子を見ました」
私「どこの?」
選手「…」
私「ファーストとサードのどっちがチャージ強かったか見た?」
選手「いえ…見てません」
私「じゃあ、次からはよく見とけよー!それからさ、1打席目でお前、バント決めてたから、相手もここはバントかなって思ってたと思うんだよな…ってことは、初球にあと何があったかな?」
選手「あ…初球にバントはなく強攻だと見せる度に空振りもありですかね?」
私「おー!いいね!それもありだなー。2球目にバントなら、初球をどうするのか、きっとまだまだあるぞー。考えて、来週、俺に教えて!」
こんな感じです。
こういうことのために「野球ノート」があると思うんですね。
私のチームにはバントのサインに一塁方向、三塁方向に…というのはありません。
ただし2球目にバントというサインはあります。
この選手に公式戦でバントのサインを出したときに、練習試合の「考えろ」のサインが活きてくると思うのです。
こうなったら、こうしろという機械的な指導だけではなく、色々、考えることによって、判断力が養えるはずです。
そして、考えるためには、「野球を観る」ことも大切ですね。
プロ野球や高校野球をよく観ている子は、状況判断がよく理解できています。
少年野球の場合、プロ野球だとまた違うことも出てくるので、高校野球をたくさん見なさいと選手に伝えています。
そして、こういう選手は自分達の試合が終わった後も、違うチームの試合も、よく観ていますね。間違っても、鬼ごっこはしていません(笑)
小学生でも高学年になると「考える」ことが出来るようになってきます。そして、この時期から、考えることが出来るようになることによって、中学や高校に行った時に、それが、技術になっていると思います。
もし、よろしければ、練習や練習試合で「考えろサイン」をお試しください。
~年中夢球~