今日は・・
野球と仕事を絡めたお話をしたいと思います。
少年野球の監督にもいろいろなタイプの人がいます。
各コーチに役割を持ってもらうタイプの監督さんもいれば・・
1から10まで全部自分が指導する監督もいらっしゃいます。
いろいろなチームがあり、いろいろな監督がいてどれが正解ということはありません。
私は各コーチにそれぞれ役割を持ってもらうようにしています。
・バッティング
・守備
・ピッチング
・走塁
・アップなどのトレーニング
コーチにも役割を持ってもらうことでチームに貢献した・・
という実感とモチベーションを上げてほしいからです。
私のチームではフリーバッティングの順番が終わると鳥小屋でバント練習をするのですが「バントコーチ」もいます。
大事な試合でバントが決まった時、このコーチは誰よりも喜びます。
その姿を見ると、私自身も嬉しい気持ちになるのです。
このコーチには野球の経験がありません。
ですが今はバントの指導は誰よりも上手です。
私がバントのコーチの話をした時から誰よりもバントのことを勉強し、私にもバントの質問をよくしてくれました。
それだけではなくバッティングセンターでひたすらバントだけをしているそうです。
こういう人間だから「任せる」ことができるのです。
「自分が一番知っている」→「だから自分が教えたほうがいい」
確かにそうかもしれません。
僕はコーチを「アシスタント」だとは思っていません。
同じコーチという立場の「パートナー」だと思っています。
もっと言えば「コーチ同士」ではなく「コーチ同志」だと思っています。
だからこそ優勝した時に……
抱き合いながら泣けるのだと思っています。
あなたの会社ではどうでしょう?
あなたの部下が企画書を出してきました。
その企画書はあなたを満足させるものではありません。
「これなら自分でやったほうが早いな」
「自分の企画のほうがいいな」
そう考えて部下の仕事を取り上げてしまったことはないでしょうか。
確かにあなたがやったほうが早くていい企画なのでしょう。
ですが……
あなたの部下はどうなるでしょうか。
部下の仕事は雑務や面倒くさい仕事・・
上司のあなたの準備や後片付けになることが多くなってしまうのではないでしょうか。
そして、自分が仕事をやってしまうのは「任せられない」からではないでしょうか。
それは・・
「部下にやらせると失敗する」→「自分が取引先や上司に怒られる」
そんな保身の気持ちもありませんか?
部下はあなたのアシスタントではありません。
アシスタントではなくあなたの「パートナー」という目で見るようになれば・・
より幅広い仕事を任せられるようになるのだと思います。
日本は部下と上司が親分と子分のような図式になることが多くありますが
「目標を達成する」という部分では上も下もないはずです。
そこでの役割が違うだけです。
部下をアシスタント扱いしている上司こそが・・
セクハラやパワハラなど高圧的な態度を取ることが多くあるのです。
「上司は偉い」という考えがもとにあるので自分では上から言うことに悪びれることもありません。
よく部下の人間に「ちょっとコピー取ってきて」という上司がいますが、自分が動かずに安易なことを部下の人間にやらせることこそ部下をアシスタントと見ている証拠です。
大切に思っていない証拠です。
よく「忙しい、忙しい」と言って上司が一人で残業をしているケースがあります。
その結果、仕事が遅くなってしまう人もいます。
部下に仕事を任せないで一人で仕事を抱え込んでしまう人に多く見受けられます。
現代の仕事は職種も仕事も細分化されています。
その全てを一人で抱え込むのはかなり無理があります。
ただ任せると言ってもそれは丸投げをすることではありません。
①なぜこの仕事をするのかという目的
②途中経過のチェック
ただし、1から10まで指示をするとそれは任せる力ではなくなってきてしまいます。
人は失敗をすることからたくさんのことを学びます。
おそらくあなた自身もそうだったはずです。
それは野球も仕事も一緒です。
失敗を恐れずに役割や仕事を与え任せてみることが部下の成長に繋がるのです。
今の上司は「任せる力」が不足しています。
それは「待てない上司」とも言えます。
少年野球の現場でも「待てない親」がいます。
子供が挫折をする前に手を差し伸べる親御さんがいらっしゃいます。
失敗をする前に何でもかんでも手を差し伸べる……
自分の保身のために自分が仕事をしていては子供も部下も成長しません。
任せることで部下の人間は挫折するかもしれません。
しかし、先々大きな力となってくれるはずです。
~年中夢球~
【年中夢球著 なぜ元気な会社に補欠がいないのかより抜粋】