私は指導者になって20年近くになりますが、指導者の1年目に0-33(3回コールド)で敗戦した試合を経験したことがあります。
8月の炎天下の中、試合時間の殆どを守りに費やしアウトを全くとれない彼らをベンチの中で、ただただ見ることしか出来なかった自分の姿を今でも鮮明に覚えています。
彼らに対しての申し訳ない気持ち。
自分自身への情けなさ。
そして、子供へではなく自分自身への怒り。
今、彼らは何を思って守っているのだろうか・・
やっとスリーアウトを取ってきた彼らに『よくがんばったぞ』の言葉しかかけられなかった未熟な自分を思いだします。
あの試合があったからこそ、私自身、指導者として、日々、勉強していこうと決意をした日でもあります。
先日、ミスが目立ちエラーは多くなり大敗したチームを見かけました。
見ていて確かに内容の悪い試合だったのですが・・
監督さんが選手に言った言葉です。
『俺はお前らにそんな野球は教えていない』
『俺に恥をかかせやがって』
『俺の顔に泥を塗りやがって』
確かにいい試合内容ではなく叱られる場面もあったと思うのですが、
この内容はいかがなものかと・・
監督さん・・あなたのために子供は野球をやっているわけではありません。
この言葉を聞いた子供はどう思うのでしょうか?
監督さんに恥をかかせないようにするためにがんばろうとなるのでしょうか?
確かにミスが多くなり、大敗を喫しました。
ですが、私が言いたいのは『あなたが教えたからですよ』と声を大にして言いたい。
あなたの指導の賜物がこの結果なんです。
確かに子供たちも反省しなければいけないこともたくさんあるでしょう。
でも、あなたも反省することがたくさんあるでしょう・・と。
その反省がなく全てを子供のせいにしていては、指導者としての成長はないと思います。
よくミスが多くなったり、大差になると興奮してエスカレートする指導者の方を見かけます。
『何やってんだよー!でめえ!』
『俺がいいっていうまで一生走ってろ!』
『そんな野球は教えてねーんだよ!』
『お前!何やってんだ!バカか!野球なんかやめちまえ!』
とても愛情ある叱咤には見えず・・もう勢いに任せて自分の感情に任せて怒っているだけの状態。
こういう人って・・
周りの目が気になってしょうがないんですよね。
『こんなエラーばかりのチームの指導者だと思われたくない。』
『俺は野球をちゃんと教えてるのにこいつらが出来ないんだ。』
だから、
『俺はお前らにそんな野球は教えていない』
『俺に恥をかかせやがって』
なんて言葉が平気で出てくるのだと思います。
まずは今の自分の指導者の未熟さを認めること。
それは自分の弱さを認めることにもなります。
そこからスタートしなければ、ずっと、子供のせいにしてしまう指導者になってしまいます。
~年中夢球~