函館に住んでいる小学校5年生の優心(ゆうし)君。
彼は右手の手首より上がありません。
お母様の明日香さんは戻ろうと思っていた仕事に復帰することも辞めました。
優心と出来る限り一緒にいよう・・
優心と一緒にいることで私も強くなろう・・
そう決心しました。
しかし・・
優心君と二人で町を歩いている時・・
みんなが優心君の右手を見ているような気になってしまいました。
優心君と二人で公園で遊んでいる時・・
『右手どうしたの?』
と聞かれることがたまらなく嫌でした。
強さを持てない日々が明日香さんに続きました。
優心君が幼稚園の頃・・
『僕もパーの手がいい』
そう言って帰ってきました。
幼稚園できっと何か言われたのでしょう・・。
それから・・
明日香さんは・・
毎日・・毎日・・
優心君のグーの右手を触りながら・・
『お母さんは優心のグーちゃんが大好きだよ』
そう話しました。
そして・・
お兄ちゃんの影響で優心君は小学校1年の時に
『野球をやりたい』
と言い始めます。
左投げ左打ちの彼は・・
守備では左手で捕球をした後にグローブを右の脇に抱えて左手で投げます。
バッティングでは右手を添えて打っています。
『たくさん練習したんですね?』
と私が聞くと明日香さんは
『それが意外にすぐ出来てしまって・・』
と答えてくれました。
野球もまじめに取り組むんでいる優心君。
野球をし始めたことによって優心君はどんどんたくましくなっていきました。
自分に強さが持てなかった明日香さん。
今は・・
『たくさんの人に優心を知ってほしいです。私の誇りですから』
そう笑って話してくれました。
そして・・
こう話してくれました。
『私が優心と一緒にいることで優心を強くさせようと思ったんですけど・・優心が私を強くしてくれました』
と。
優心君は今・・
自分の右手をお友達にこう話すそうです。
『俺の右手!すごいだろう!』
と。
それはきっと・・
明日香さんが毎日毎日
『お母さんは優心のグーちゃんが大好きだよ』
と言い続けた言葉があったからです。
きっと・・
優心君は明日香さんのお陰で強くなり・・
明日香さんは優心君のお陰で強くなったのでしょう。
この母子が高校野球最後のステージまで行けますように・・
奇跡が起こりますように・・
ずっと応援しています。
世の中暗いニュースばかりですが・・
明日香さんと優心君の話を聞いて元気をもらいました。
~年中夢球~