多くのお子さんが親元を離れ野球をしています。
私の友人でもたくさんの選手が親元を離れがんばって野球をしています。
束の間のお正月の帰省も終わり・・
また子供たちは野球漬けの毎日へと戻るでしょう。
残された親御さんは・・
「寂しくないの?」
「辛くない?」
遠く離れて野球をしている親御さんにこういう質問をする方がいらっしゃいますが…
寂しいに決まっています。
辛いに決まっています。
生まれる前から自分の体の中にいて…
自分の体の中にいて姿が見えないときから愛情いっぱいに育てて…
無事に生まれてきてくれて…
歯が生えたとは言って喜び…
歩いたとは言って喜び…
子供の一つ一つに一喜一憂していたあの頃。
お腹の中にいるときでも、生まれたあとでも、自分の一部のように思っていた我が子。
そんな我が子が人格を持ち始め、意思を持ち始める。
自分の意思で野球をやり始め、自分の強い意志で、親元を離れて野球をやりたいと言い出した。
あんなに大変だと思っていたお弁当も洗濯も今は心からしてあげたいと思う。
あの子が大好きな玉子焼きを作ってあげたい。
あの子の泥んこのユニフォームをこの手で綺麗にしてあげたい。
出ていった我が子の部屋を見回すと、
少年野球に使っていたグローブ…
中学野球で使っていたバット…
たくさんのメダルやトロフィー…
毎日、一緒に野球をしていた頃を思い出して部屋にいると涙が溢れてくることもある。
何も連絡してこないことが心配だけど、何も連絡がないのが元気な証拠なのだろうと思って、心配な気持ちを無理矢理、吹き飛ばすこともある。
我が子が大好きな料理をたくさん作ることが楽しみの一つ。
帰省中、色々心配になって…
「寮ではちゃんとご飯食べてるの?」
「部員とは仲良くやってるの?」
思わずたくさん聞いてしまって、子供は、うっとおしいと思ってるかもしれないと感じてしまうかもしれません。
帰省から寮に帰るとき…
見送りに行くときに、あれも話そう、これも話そうと思っていたのに言葉が出てこなくて…
「がんばってね」しか言えなくて…
我が子の顔を焼き付けたい…
それだけでいいと思っているのに振り向かない我が子。
きっとお子さんも同じ気持ちなんだと思います。
いろんなことを言いたいけど…
顔を見たいけど…
色々な感情が溢れだしてしまうから振り向かないのだと。。。
でも、お子さんには、きっと、母の親心が届いているはずです。
親元を離れて暮らしているお子さんもきっと、心の中では寂いはずですから。
「ママー!」
と幼少のように甘えられる年齢ではもうないけれど、一人で暮らして辛い時に必ず、心の中に家族を想い出しているはずです。
手は離れても…
10代のお子さんが親元を離れて暮らしていることは、親御さんにとって寂しく辛い想いがあるでしょう。
本来ならば、もう少し遅く、親から手を離れるはずだったものが、他のお子さんより、早くその時期が来てしまった。
ですが、手が離れるのが早くなった分、心と心の繋がりが強くなったのではないでしょうか?
遠く離れていても、お子さんと繋がっているものはあります。
ふと見上げた青空…
親子がお世話になった人と人の縁…
そして、親子で見る夢…
その一つ一つが「甲子園」に繋がっているのかもしれません。
お腹を痛めて産んだあの頃…
ヘソの緒が母子を繋げていてくれたように、遠く離れた今だからこそ、心で繋がっているはずです。
いつでも繋がっている。
どこにいても繋がっている。
親子ですから…
~年中夢球~
*写真は帰省する仲間をグラウンドから見送ってくれた仲間たちです。
彼にはここも『帰る場所』になっているのでしょう・・