「どんまい」
最近ではあまり耳にしなくなったこの言葉ですが皆さんのチームではいかがでしょうか?
どんまい…「気にするな」
という意味ですね。
※和製英語で本来の英語の意味とは異なるそうですが。
思い出すと、野球をやり始めた頃の私もこの「どんまい」を好んで使っていたような気がします。
好んで使っていた…
というより・・
言葉のボキャブラリーがない幼少の自分にとっては「便利」な言葉だったのかもしれません。
仲間がミスをすればこの言葉をかければいいと感じていたのかめしれません。
「どんまい」
私は基本的には好きな言葉です。
ですが・・
なんでもかんでもどんまいになる「どんまい野球」は少し違和感があるんですね。
私が教えていた年代でこの「どんまい」を好んで使う年代がありました。
神奈川でも優勝し関東大会でも準優勝した年代です。
ある練習の時…
チームの中心選手が明らかに気を抜いたプレーをしました。
周りの選手の声は…
「どんまい!どんまい!」
そのプレーをした選手にも笑顔。
ちょっと待て…
それは「どんまい」じゃない。
全員をすぐに集めました。
まずは当人に…
「お前、今のプレー全力でやったのか?」
「いや…」
「俺だけじゃなく誰の眼から見ても今のプレーは手を抜いたプレーだ」
今度は周りの選手に聞きました。
「今のアイツのプレーがお前達には全力なプレーに見えたのか?本当にどんまいなのか?俺からしたら、気にするなじゃなくて、気にしろのプレーだ」
周りの選手もわかっていたはずなんです。
「最後の試合…あいつが今と同じように手を抜いたプレーをしたら、お前達は納得して終われるのか?俺達は、がんばったと涙を流すのか?違うはずだ。今の手を抜いたプレーの練習を必ず思い出す。そして、あの時にきちんと言えば良かったと後悔するぞ。そして、誰よりも本人が一番後悔するぞ。」
そう彼等に話しました。
エラーをしたとかじゃないんです。
ミスをしたとかじゃないんです。
練習中に全力でやってきたかどうか…
その姿が大切なはずです。
全力でやってきたかどうかを仲間が一番近くで見てきたからこそ
誰かがミスをしても納得できて終われるのです。
あれだけ練習で一生懸命やってたアイツ。
さぞかし悔しいだろう。
そう想えるからこそかける言葉があるのです。
肩を抱きしめてあげられるのです。
終わり方があるはずです。
小学6年生は少年野球生活が残りわずかです。
「終わり方」を選手も指導者も大切にしてほしい…
そう思います。
「どんまい」は決して悪い言葉ではありません。
ですが、便利な言葉であるからこそ使う場面も多くなります。
だからこそ・・
何でも「どんまい」にしてはいけない。
全力でやってきた仲間同士だからこそ試合中の「どんまい」は効果があるのだと思います。
そして「どんまい=気にするな」だけではなく次に繋げる言葉が必要ですね。
どんまいと言われた方は返す言葉が消極的になりがちです。
「わりい」
「ごめん」
そういう気持ちを次に繋げる言葉。
「どんまい!どんまい!切り替えろ!」
「どんまいだ!次は頼むぞ!」
こういう声で次に繋げてほしいですね。
どんまい…
今はあまり口にしないのかもしれませんが・・
昭和の私からすると「どんまい」という言葉は温かみがある言葉のようにも感じるのです。
ただどんな言葉であろうと「信頼関係」がなければその言霊の意味は半減してしまいます。
~年中夢球~